Oct 16

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2014年10月11日 アロラ・セルバンテス劇場公演 

バイレ:市川幸子、太田マキ、萩原淳子

ギター:久保守、鈴木淳弘

カンテ:フアニジョロ

ゲスト・アーティスト:ドローレス・コルテス・カンポス

舞台写真:アントニオ・ペレス

プログラム

1部

  • オープニングの全員ブレリア(黒い衣装)
  • カンテソロ(フアニジョロのマラゲーニャ)
  • タラント(太田さんソロ、赤地に水玉の衣装)
  • カンテソロ(ドローレスさんのアレグリアスとブレリア)

〈休憩〉

2部

  • ソレア(市川さんソロ、黒地に水玉の衣装)
  • アレグリアス(萩原ソロ、オレンジのバタ・デ・コーラ)
  • ギタードゥオ(久保さんと鈴木さんのファンダンゴとブレリア)
  • フィナーレのグアヒーラ(全員、バイレ白衣装)
  • フィン・デ・フィエスタ

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みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。こちらセビージャはやっと秋らしくなってきました。

アントニオ・ペレス撮影のアロラ(マラガ)公演の写真をアップ致します。アロラ市役所側で撮影して下さったのもよいですが、やはりアントニオの撮影は最高!共演のみなさんからもお喜びの声を頂いています。ありがとうございます!!!

さてさて、アロラ公演は準備の段階からとても楽しかったです。まずはオープニングのモロンのブレリア。(黒い衣装の写真)ギターがメインで始まり、ファニジョロの歌に引き続き、バイレ3名(市川幸子さん、太田マキさん、萩原淳子)の踊りに続きます。そして皆で盛り上げてさっと終わる。この引き際がよいね。

踊りの部分はバイレ3人で、東京のスタジオで考えました。前回私が日本にいた時、スペインに戻る直前だったから9月上旬。マルカールやフォーメーションの部分はみんなで意見を出し合って、パソの部分は私が考えて。いつも振付や群舞のフォーメーションは私一人で考えることが多いので、今回のように意見を出し合うというのは、とても新鮮な経験でした。同じ音楽を聞いても感じ方も表現の仕方も人によって違う。何を見せたいか、オープニングとして踊るという概念なども全然違う。自分の意見をごり押しするのではなく、お互いの意見を聞く。でもただ聞くのではなく、相手がその踊りや音楽に対してどのようなイメージを持っているかを共有しないと、ただ意見を聞いてもピンとこない。その良さと改善点が分からない。自分だけでなく様々な角度から音楽と踊りを聞いてみることによって、総合的によくなってゆく。ギターの久保守さん、鈴木淳弘さんの意見ももちろん重要。総合的に考えて、何が一番よいのか、流れがどうなるのか、それをまとめながら、自分の意見を伝える。ただこうしたい、と主張するだけではなく、なぜその方がよいのか、なぜそうでないものがイマイチなのか、それをきちんと説明する。もちろん同様に相手の意見も尊重する。東京のスタジオで2〜3時間かかったでしょうか。オープニングの振付はそれで完成。ビデオに撮って忘れないように、セビージャに持ってゆきました。

あとは、フィナーレのグアヒーラ。私がスペインに戻ってしまったので、日本で市川さんと太田さんが大まかな流れと振付を作って下さいました。その動画をyoutubeで送ってもらい、私は、振付とパソを部分的にとってセビージャで自主練習。9月末に市川さんと久保さんがセビージャ入り。そこでフィナーレの細かい部分を市川さんに教えてもらう。ただ、実際全体を通して踊ってみるとフィナーレにしてはちょっと長いような気が。それとイマイチ盛り上がりに欠けるかなあ・・・と気になる。新しく作り直すのではなく、すでに振付てあるものの順番をちょっぴり変えることを提案。ここでも市川さんと久保さんと3人で話し合い、試行錯誤。構成って不思議なもので、何か少し変えるだけで印象がガラリと変わる。重要なのは流れ。この動きを取り入れたい、とかこのパソを入れたいとか部分的に考えずに、まずは全体の流れを俯瞰する必要がある。そして何を言いたいのか、これが分かっていないとただの振付とパソの連続になってしまう。・・・という感じでこれはセビージャのスタジオで1〜2時間くらいで終わったかな。そこで変わった部分などを、その時はまだ日本にいらっしゃった太田さんに市川さんが連絡して下さった。

その間、衣装や小物(頭につける花、ペイネタと呼ばれるくし)、靴などの確認をやはりFacebookで。いやー便利な世の中だ。スペインと日本と離れていても普通にやりとりができる。そうこうするうちに太田さんセビージャ入り。バイレ3人とギターの久保さんと合わせ。その数日後にもう一人のギタリスト鈴木さんがセビージャ入り。鈴木さんはなんと到着その日に私達と合わせ。それが本番3日前。その次の日、つまり本番2日前にヘレスから歌い手のファニジョロがやってきて、セビージャで最初で最後の全員揃った合わせ。(この時の写真はすでにブログにアップしています。)そしてあっという間に本番当日を迎えました。

列記してみると盛りだくさんだけど、始まってしまえばあっと言う間。みんなすごくよかった!太田さんのタラント、最後のタンゴでは盛り上がり過ぎ、萩原は後ろでパルマをたたいていましたが、途中諸手を挙げてオレーと叫んでいました。は!と気付いてすぐ両手をおろしパルマに戻ったけど、そんなパルメーラ(手拍子でリズムをとる人)見たことない。スミマセン・・・大反省。パルマはパルマに徹しないと。市川さんのソレアの時にはパルマをたたかず、舞台袖で次の踊りのために待機していましたが、聞こえてくる音楽とサパテアードに大興奮でした!

私の踊りもお陰様で無事終了!みなさん盛り上げて下さいました。ありがとう!!!踊り終わって早着替えでグアヒーラの準備。グアヒーラも無事に終わったかな?そのままフィン・デ・フィエスタに突入。一緒に来ていたフアニジョロの息子といとこの踊り手さんがブレリア参加。ファニジョロの息子さんはいつもはよくペーニャなどでブレリアを披露することが多いそうですが、劇場では初デビューだったそう。会場も沸きに沸き、本当に素晴らしい時間を過ごすことができました。皆様、ありがとうございました!!!!

あー終わったー。とほっとして楽屋に帰って、愕然とする萩原・・・1部のオープニングで履いた黒い靴から、休憩の時にベージュの靴に履き替えなくてはならなかったのが、なんと黒い靴のまま2部も踊っていたーーーーがーーん。最後の群舞のグアヒーラ、衣装が全身白なので、足下はベージュがいいよね、と話してちゃんとベージュの靴を持ってきていたのに、なぜか履き替え忘れていた・・・がーーーん。なんでいつも私は必ずどこか抜けているのか・・・

そんな個人的な反省もしつつ、でも公演は大成功のうちに終わってよかった!大歓声と盛大な拍手に包まれた夜でした。

そして、重要なこと。私は踊りの準備をして踊っただけだけど、本当に大変だったのはこの公演をオーガナイズして下さった方々。アロラに30年以上在住されている日本人画家の長縄しんじさん、そのお友達で出演者でもあった久保守さん、このお二方が奔走に奔走、苦労に苦労され、忍耐に忍耐を重ね裏方として支えて下さいました。これは人から見えない。お客様からも、当の出演者からも。だからその写真も動画もアップできない。本当の裏方というのは、自分で、こんなにがんばりましたーということを公表しない。(ちなみに、私は自分が日本で写真展&ライブをオーガナイズする時はどれだけ苦労したか、公表します。人間ができていないので 笑)

それと、個人的には、いつも写真を撮ってくれる夫、アントニオ・ペレスにも特別の感謝を。写真って、ただ撮るのではない。携帯でもなんでも簡単に写真がとれてネットにさっとアップできてしまう時代だけど、プロフェッショナルなカメラマンが撮る写真というのはそうはいかない。このブログにアップしている私のバタ・デ・コーラの写真をご覧頂きたい。よくある正面からだけの写真ではない。横(舞台袖)から、そしてギタリストと歌い手の後ろから撮っている写真があるでしょう。ということは、私が踊っている間にアントニオは劇場内を走り回っている。(のろのろ歩いて移動していたら踊りが終わってしまう。)客席から、舞台袖、そして舞台後ろ、また客席と。客席も舞台近くから客席最後列まで走り回る。舞台が終わって、アントニオのシャツが汗だらけになっていて、「お前、踊ったみたいだな」と笑われていたけど、そういうこと。そしてそれだけではない。撮った写真を、何千枚というデータの中から加工する写真を選ぶ。これが結構骨が折れる。写真としていいもの、映っている人間のよさを最大限引き出しているもの、をまずアントニオが選ぶ。それでも膨大な数の写真データの中から、今度は私がフラメンコ的にどうか、というのをチェックしさらに選ぶ。選別に選別をかけたデータを、アントニオが色の補正、トリミングなどをパソコンでおこなう。公演が終わってからアントニオは数日かけてこの作業に没頭していました。はたから見て可愛そうになるくらい。・・・そう、これも世の中多くの人が知らない。写真というのはぱっと撮ってもらって、はいどうぞ、と渡されるものだと思っている。かくいう私も、そうじゃないんだ、ということをアントニオと一緒に住むようになってから初めて知った。

踊りだって結局同じなんだけどね。たかだか10分ちょっとの踊りを人前で踊るためには、何時間も、何日も、何ヶ月も何年も準備が必要だ。だから目に見えないものが本当は大切。誰も気付かないことにその本質が隠されている。

な〜んてことをいつも思います。

目に見えないものに注意と敬意と感謝を。

2014年10月17日 セビージャにて。

Oct 13

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土曜のアロラ・セルバンテス劇場での公演はお陰様で無事終了しました。
とっても楽しかった!お越し下さった皆様ありがとうございました。
いまだに熱い拍手が耳に残っています。
しんじさん、ご家族の皆様、守さん、あっくん、さっちゃん、マキさん、
皆々様本当にありがとうございました。またお会いできることを楽しみにしています!

取り急ぎアロラ市役所から写真をシェアさせて頂きます。
(アントニオ・ペレス撮影の写真はもうしばらくお待ち下さい)

また、公演に関するブログもこちらでシェアさせて頂きます。http://aloranerjaenletras.blogspot.com.es/2014/10/japon-en-alora.html

以下、日本語訳してみました。↓

“ソパ・ペロータ(アロラのスープ)”の日にスープをもらうために並んでいた時、バハ・デ・ラ・デスペディーダ広場の掲示板でこのポスターを目にした。その時に私の脳裏に浮かんだこと、それはとある映画の中で耳にしたあるフレーズだ。「うまい商売人というのは、エスキモーにでさえ氷の棒を売る事ができる。」そして私は笑った・・・

というのは、ここアロラは非常に高いレベルのフラメンコの文化があるからである。ここから素晴らしい歌い手、踊り手、名高いギタリスト達が生まれ育った。私達にとってここはマラガの揺り籠。たとえ私達のペーニャ・フラメンカが最近ではそれほど活動をしていないとしても、それはアーティストやフラメンコへの愛情がないからではない。

日本は遠い国だ。アジアの中心の島であり、遠い東洋の先祖代々の文化を持つ、
遠景に水色が見える、未知の島。

金曜に私達の地元の画家、日本人のシンジ・ナガナワ絵画展の開会式があった。私達の、と言うには訳がある。彼は30年以上もたくさんの文化事業に携わってきた。そしてそこでマモル・クボのフラメンコ・ギターを聞いた時、その技術に驚いた。しかし、昨日、土曜にセルバンテス劇場でさらに驚くに至る。

緞帳が上がった。暗い舞台の中に半月状に並べられた6脚のセビージャ風椅子。黒い衣装を身にまとった男性3人と女性3人。左側の女性達はフリルのついた衣装。右側の男性達は金曜日のギタリストにもう1人に加わった、2人によるフラメンコ・ギター。金曜日に弾いたのは伝統的な、最もプーロな(純粋な)アンダルシアのスタイルのメロディを挿入したソリスト。そして、唯一日本人でなかったのは中央に座る歌い手。

くっきりと堂々としたギターの音が聞こえ始めた。もう一本のギターはそれに伴奏していた。その後は踊り手達。1人ずつ、そして全員揃って踊る。パルマや足音、そのドゥエンデで舞台を熱くしていく。そしてシンジの妻であり、アロラ出身のドローレスによる巧みな歌と踊り。

少しずつ最初の暗さから色が満ちてゆく。黒い衣装は明るい色調の大きな水玉へ、そして喜びに満ちたオレンジのバタ・デ・コーラへと変わって行く。見事な音でコンパスを刻むギター。フアニジョロの張り裂ける声とドローレスの柔らかな声。そして最後は白い衣装と照明で完全に明るくなった舞台で終わる。

観客は立ち上がる。満場総立ちの拍手喝采。もう日本だとか、日本人だとかいうことではなかった。それはプーロ(純粋な)・フラメンコだった。少なくとも最も伝統的な形式だった。素晴らしい公演だった。心が震え、光り輝き、感動的な公演だった。
シンジ、あなたの国“日の出ずる国”のこのフラメンコを知る機会を与えてくれてありがとう。

Oct 10

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10月11日(土)アロラ・セルバンテス劇場で公演します。
21:00開演、3ユーロ

 

バイレ:市川幸子、太田マキ、萩原淳子
ギター:久保守、鈴木淳弘
カンテ:フアニジョロ
ゲスト:ドローレス・コルテス・カンポス

 

エンサージョ写真:アントニオ・ペレス

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Oct 8

10548975_843819759001888_5656621986794981425_oみなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

今週の土曜日、アロラ(マラガ)セルバンテス劇場で踊ります。
バタのアレグリアスをソロで、オープニングのブレリア&フィナーレのグアヒーラを群舞でちょっぴり♪

※萩原淳子バタのアレグリアス動画は → こちら

バイレ:市川幸子、太田マキ、萩原淳子
ギター:久保守、鈴木淳弘
カンテ:フアニジョロ
ゲスト:ドローレス・コルテス・カンポス

ちなみにこのバイレ3人で、12月20日(土)恵比寿サラ・アンダルーサでも踊ります。上記アロラ公演で踊る群舞のグアヒーラもご披露しますので、日本の方は是非こちらへお越し下さいませ。

  • 2014.12.20// TERS ESTRELLAS ,サラ・アンダルーサ(恵比寿)13:00開演
    入場料4000円
    (オープニングの群舞グアヒーラ+ガジのカンテソロ+各バイレソロ1曲)
    チケットご希望の方は layunko@gmail.com までご連絡下さい。
Baile Cante Guitarra
  • 市川幸子
  • 太田マキ
  • 萩原淳子
  • エル・ガジ
  •  パコ・イグレシアス

では、明日、明後日とアロラ公演の合わせです!楽しみ!

2014年10月7日 セビージャにて。

Oct 6

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お陰様で、金曜の、サラ・ガルーファでのソロ公演は無事終了致しました。お越し頂きましたお客様、誠にありがとうございました!中にはなんと、バルセロナからお越し下さった方々も。誠にありがとうございました!

公演1部はモイ・デ・モロンのカンテ・ソロでマラゲーニャ。楽屋で聞いていて思わずoleが。マイクがない分、フラメンコファンにはたまりません。そしてアントニオ・モジャのギターソロ、これまた渋いフラメンコの音色のタランタに続き、私のバイレ、アレグリアスで1部終了。1部はお客様がちょっと固いような気がして、正直少し踊りにくかったかな。でも楽屋に戻って、モジャが「オレ達はよかったよね。」なんて言っていて、ちょっとほっとしました。

そして休憩の後の2部。モイのカンテソロ、シギリージャ。これまた鳥肌もの。何度も言うようですが、あのシギリージャをマイクなして、あんなに近い場所で聴けるなんて、これはもう、いらっしゃったお客様は本当にラッキー。歌えば歌う程、どんどん深く黒くなっていくモイのシギリージャ。本当に本当にフラメンコでした。そして、今度は私のソレアだ!と思った瞬間、なぜかギタリストのモジャが楽屋に駆け込んできました。

「爪が割れちゃったよー!!!」

だって・・・。フラメンコギタリストは自分の爪ではギターを弾きません。アロンアルファで付け爪をするのですが、その爪が割れちゃったのだそう。そしてモジャお気に入りの、緑のアロンアルファ(日本製)で爪を作り始めました・・・そしてその間、「おい、なんとかつなげとけ」とモジャに言われ、舞台に一人残されたモイは・・・・なんとギターソロを始めました。

モイ・デ・モロン。 つまり、モロンのモイ。モロンとはセビージャ郊外にある小さな町の名前ですが、この小さな町が生み出した、フラメンコ史上その名を轟かせるギタリストがいます。

その名は「ディエゴ・デル・ガストール」

決して高度な技術を持っているわけではない。でも最小限の音で最大限のフラメンコを弾くギタリスト。そして、そのモロンから輩出されたギタリストの音にはモロンにしか出せないモロンの音があります。明らかにモロンだと分かるその音色。間。

そのディエゴ・デル・ガストールの、モロンのブレリアをモイが弾き始めました。訥々と。決して上手な訳ではない。でもモロンの音がする。モロンの薫りがする。それを楽屋で聞いていた私は思わず笑みがこぼれました。付け爪を作っているモジャを見ると、モジャも本当に嬉しそうな笑顔。客席からも暖かな笑い声が。フラメンコが好きって、本当に素晴らしいことだと思う。あー、しみじみ。あ、そうえいばモイって、歌い手になる前はギターを弾いていたんだ、と思い出しそれをモジャに言うと、

「モロンではパン屋だってギターを弾くんだよ」

つまり、それだけモロンの人にとってギターを弾くということは当たり前のこと、という例え。その言い方があまりにも愛嬌に満ちていて思わず、はっははーと声を出して笑ってしまいました。セビージャが踊りの町なら、ヘレスはカンテの町。そしてモロンはギターの町、という訳です。同じアンダルシア地方でもその土地によって特色が違う。そこがまたフラメンコの豊かさ、素晴らしいところなんですよね。

そんなこんなでモジャの爪も作成完了。私のソレア。出だしから、ソレアの歌でまたモイが炸裂。うおー、モイの歌が身体に入ってきたー。ぞわぞわーと踊りが出てきました。モジャのファルセータ(ギターのメロディ)に引き続き、またモイの歌につなぐ!!!と盛り上がってきた所で、なぜかモジャのギターがフェイドアウト・・・・無音になってしまった・・・

???なぜですか?モジャ???? なんなの?この展開?

仕方がないので、ここから即興。ソレア・ポル・ブレリアにするか、と思いジャマーダをして歌を呼んでみたけど、歌が入らない・・・・モイの方を見たら、状況を把握できない模様。がーん。落ち込む暇もなく、今のはフェイントで(笑)、歌を呼ぶジャマーダじゃなかったよ〜んと見せかけて、テンポを上げてブレリアに突入。さらに私の即興は続きます。自分でもこの後どう踊りを組み立ててゆけばよいのか、その段階では分かっていない。私が分からなければモジャもモイも分からない。何かがひらめくまで即興で踊り続けていました・・・。

こういう時は脳みそを使わなくてはなりません。「フラメンコは感じて踊る」とよく言われますが、その通りですが、半分脳みそも使う必要もあります。例えばこういう時。よくありがちなのが(今までの私の経験でよくあったのが)頭が真っ白になってしまって何がなんだか自分で分からなくてぐちゃぐちゃになって終わり、後で大泣きするパターン。だからこそ落ち着いて脳みそを使わなくてはいけない。舞台の上で止まることはできない、「あ、すみません、もう1回」とやり直すこともできない。即興で踊り続けながら、次の展開を考える。

これ、結構難しいです。文章にすると簡単ですが。でもやるしかない。そうこうするうちに何とか自分の中でも流れが整理できて、よし!と思いました。ブレリアのエスコビージャ(足の技術の部分)を終えて、これならモジャも分かるだろう!と確信を持ってレマーテをしてファルセータ(ギターのメロディ部分)を呼んだのに・・・

・・・・ギターが止まってしまった・・・・また無音・・・なんなんだ!!!この展開!!!

そしてモジャが弾き出したのが、またソレア・・・・え?なんで?と思ってモイを見たら、モイの顔にも「?」が10個くらいついている。それにしても、モイ、気持ちは分かるがもう少し顔に出さないようにしてくれないか・・・なんて正直なんだ君は・・・と思ったけれど、もうソレアしかない。というわけで、モイがソレアを歌い出す。まあ、それはそれでよかったのですが。そんなわけで、その後もまた即興が続き、わーっと踊って終了。

フィン・デ・フィエスタはタンゴで、もちろん即興。まあ、最後なのでこれは普通、即興で踊られるものなのですが。いやー、あの日のソレアの即興度(?)は久々でした。踊り手には大きく分かれて2種類の踊り方があります。1つは、音楽も振付も事前に完全に決めて、それを何百回と繰り返し、本番でもその通りに踊るタイプ。シンクロナイズドスイミングとか、新体操のようなスポーツ的な準備の仕方でしょうか。もう1つは、ある程度、要所要所の構成は決めておいて、あとは自由に弾いたり踊ったり歌ったり、という即興部分を残しておくタイプ。普段の私は、舞踊団の群舞で踊る以外は後者のタイプで踊りますが、あの日のソレアは、要所要所の構成自体が舞台上で変わってしまったので、そこから全て即興になってしまいました。ちょっと骨を折ったけれど、ライブはお陰様で無事終了。お客様はみなさん大喝采で「来てよかったー」とおっしゃって下さり、よかった。楽屋ではなぜか、モジャ大満足。「いやージュンコ、よかったぞ!」と・・・。私が即興で格闘していたのに全く気付かなかった様子。そんなモジャにole。(笑)そういう時に黙って何も言わないモイにもole。(笑)本当はもっと「普通に」ソレアを踊りたかったけど・・・まあ、これもありか。

今から5〜6年前、私が即興で踊っていたプライベート・フィエスタで弾いていたのがモジャ。そこは、一流アーティストが舞台の上にも、客席にも集まるものすごいフィエスタでした。そんな中でいつも踊るのが怖くて、でもそれこそ命がけで踊って、いい時もあったけど玉砕することもたくさんあって、家に帰って大泣きすることもたくさんあって、それでも踊り手として呼んでもらえて1年半修行させて頂いた場所。あの時たくさんかいた大恥と、流した涙が今の私につながっている。そう思うと、あの時に比べて私はちょっと成長したのかも。そしてあの1年半、私を鍛えてくれたのがモジャ。

そのモジャが昨晩、開演前に楽屋で言っていました。「オレはいつも舞台の前で緊張するんだ。フェルナンダ(・デ・ウトレーラ)もすごい緊張していたぞ。フェルナンダの緊張は普通じゃなかったぞ」うん、私も緊張する。5〜6年前、あのフィエスタの時は緊張どころか踊るのが怖かった。あんなにすごいアーティストに囲まれて、なんであの人達じゃなくて、私が踊らなくちゃいけないんだ、って。何にも知らない日本人が、って。そういう私にモジャは言いました。「オレ達の仕事は不条理だな。緊張ばっかりして。」「そうそう、緊張して、ストレスたまって、夜も眠れないし、顔に吹き出物は出るし、夫は八つ当たりされて可哀想だし」という私に、ふぁっふぁっと笑うモジャ。そしてこうも言っていました。

「だから舞台の上では楽しまなくては。」

そうなんだよね。いろいろあったけど、それも結局楽しめるようになったのかなあ。

ありがとう、モジャ。ありがとう、モイ。

(写真:アントニオ・ペレス)

2014年10月6日 セビージャにて。

Sep 28

10714885_722888211137561_1630729053_nみなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。10月3日(金)サラ・ガルーファでのライブのフライヤーを頂きましたのでアップ致します。

  • 日程 10月3日(金)
  • 時間 21:45以降開演
  • 場所 サラ・ガルーファ(Calle Jiménez Aranda 5, Sevilla)
  • ギター アントニオ・モジャ
  • カンテ モイ・デ・モロン
  • バイレ 萩原淳子
  • 入場料 8ユーロ/学生・居住者は6ユーロ

ご来場をお待ちしております!

2014年9月28日(日)セビージャにて。

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