Sep 30

みなさんこんにちは!いかがお過ごしでしょうか?

こちらセビージャでは9/15から約1ヶ月に渡る、世界的なフラメンコの祭典「ビエナル・デ・フラメンコ・セビージャ 2010」が開かれています。期間中はセビージャ市内の劇場で毎日公演があり、1日に2〜3公演ある日も。世界中からフラメンコファンが集まり、活気に満ちています。フラメンコ留学生のほとんどが、日中はクラスをとり夜劇場にかけつけるという毎日を送っていますよ。留学生だけでなく日本でプロとして活躍する踊り手さんやギタリストの姿も。

日本の方から「ビエナルはどうですか?」というメールを頂いているので、せっかくだからブログにすることにしました。私の勝手気ままな鑑賞記になりますが・・・ごめんあそばせ。

※ビエナル公式HPはこちら→www.bienal-flamenco.org (以下写真はこのHPの写真ギャラリーから引用しています。写真:ルイス・カスティージャ)

  • 9月15日(水)ビエナル開幕コンサート、マエストランサ闘牛場、主演ミゲル・ポベダ 以前の開幕コンサートは無料だったのに、今年はチケットを買わなければならない。しかもインターネットであっという間に売り切れ。メイン出演のミゲル・ポベダの歌はその前の週のアントニオ・マイレーナ・フェスティバルで聴いたので(素晴らしかった。)まあ、いいか。ところがどういうわけか、当日急にそのチケットが手に入ったので、 闘牛場にかけつける。席は舞台から一番遠い6ユーロの席。この遠さ、並みではない。アーティスト達がLEGOの人形くらいの大きさに見える。でもその席から闘牛場を見下ろせる光景は圧巻。お客さんはもちろん満員で、心なしかまだ暑く、美しく着飾った女性達はみんなアバニコ(扇)をあおいでいる。これ、セビージャだわ。マエストランサだわ。ここで世界最大のフラメンコの祭典が開幕するのだ。22時半の開演時間は過ぎ、月の光がさらに私の気分を高揚させる。この日はミゲル・ポベダ以外にたくさんのアーティストが出演した。その中で私の一番のお気に入りはミゲル・ラビ。彼のブレリア。これにつきる。ミゲル・ラビは私の好きなヘレスの若手の歌い手。一番最初に彼の歌を聴いたのは数年前、とあるペーニャ。日本のタブラオで活躍する、ある踊り手の公演で歌っていた。その時、本当に度肝を抜かれる。踊りもよかったのだろうけど、彼の歌がすごすぎて踊りが目に入らない。ペーニャの人にあの歌い手は誰か?と聞いたけど誰も名前を知らない。誰なんだろう・・・と心臓をばくばくさせて家に帰る。そして数ヶ月後、モネタに歌う彼を発見!「ミゲル・ラビ」っていうんだ!!!その後モネタが踊る時には大体彼が歌っている。同じくモネタに歌うダビ・エル・ガジも素晴らしいだが、時としてそのガジを凌駕する瞬間がある。でも最初に聴いた時の興奮はそれほどなかった。前置きが長くなったけど、そのミゲル・ラビがビエナル開幕コンサートのマエストランサ闘牛場にて、モライートとアルフレッド・ラゴスのギターでブレリアを歌った!!!やっぱりヘレスだね。おめでとう!!!そしてありがとう。ミゲル・ラビ。3時間にも渡る開幕コンサートでたくさんのアーティストが歌い、踊り、弾き・・・みんな素晴らしかったけど、でもあのラビの、あの時のブレリアが私にとって最高の宝石となった。
  • 9月18日「Cádiz eterna」ホテル・トゥリアーナ、ランカピーノ、フアン・ビジャール、ナノ・デ・ヘレス、マリアーナ・コルネッホ、リディア・カベージョ 1部のリディア・カベージョの踊りの後続いたのは、上記4人衆によるカンテ・コンサート。ナノ・デ・ヘレスを除く3人は私のクルシージョ講座「アレグリアス研究」でとりあげている歌い手達だ。生徒さん達にも聴かせたいなぁ!!!と心から思う。以前に聴いたランカピーノよりもちょっぴり物足りないような気がする。彼の歌うマラゲーニャもアレグリアスも素晴らしいけど・・・年をとったのかな・・・。それとも、前日私はペーニャ公演だったから、その疲れが残っていて自分にカンテを吸収するエネルギーが足りなかったのかもしれない。最近のビエナルでは舞踊ばかりに偏り、カンテのコンサートが少なくなっている。お客さんが入らないから。でも彼らのような歌い手が集うコンサートを絶対になくしてはならない。源泉の水を汲んできた人達の歌なのだから。ランカピーノの歌にはアウレリオが生きているよ。マリアーナの歌にはペルラが生きているよ。ちなみにこの公演のタイトル「Cádiz Eterna」は日本語に訳すと「永遠のカディス」。 彼らの歌を通して私も源泉の水を飲めればなぁ!アウレリオが流した涙でいっぱいになった泉の水を。
  • 9月19日 「Cuando las piedras vuelan」マエストランサ劇場 ロシオ・モリーナ舞踊団 どうなんだろう、この公演は。意見が真っ二つに分かれるところか?私は、好きでしたが。ロシオ・モリーナの超一級の舞踊性。完成された舞台。転換といい、照明といい・・・彼女の踊りをフラメンコかフラメンコでないか、というところで意見が分かれるのかもしれません。私の隣に座っていた男性は「こんなのコンテポラリー・ダンスじゃないか」とずっとぶつぶつ言っていました。でも、ある瞬間ものすごい芸術性の高い照明が私たちの前にふっと現れた瞬間、その男性でさえ息を飲んでいました。その照明が舞台天井に仕掛けられていたのを私は確認していたの。あの照明どう光るんだろう、って思った記憶があるから。でも何十という照明が天井からするすると降りてくるのに気づかず、気づいた時にはロシオと何十という照明の芸術作品が目の前に現れているなんて? そんこと可能なんでしょうか?舞台って本当にすごい。(ちなみにその照明の写真ですが・・・写真じゃ、やっぱり伝わらないな〜)それから、ロシオの踊り。多くの人が「コンテンポラリー・ダンス」と言っていたけど、そうかなぁ?アイデアは確かに伝統的なフラメンコの枠に入っていないかもしれない。でも例えば、サビーカスとカルメン・アマジャの掛け合いのブレリアを想起させる部分や、今では誰もそうは踊らない、昔の女性の踊り方を彷彿させるような動きなんかが所々あって、私はそういう部分に彼女のフラメンコを感じたけどなぁ。「フラメンコとは・・・・」と人それぞれ意見が違うと思うし、ある点からみると私はこの公演に100パセーント拍手を送ることはできません。でもフラメンコを舞台芸術の側面からみる見方というのもあるんじゃないかなと思うのだけど・・・

    以前の私だったら、「こんなのフラメンコじゃな〜い!!!!」と一刀両断していたと思うんだけど・・・最近そうでもないかな。それはイスラエル・ガルバンのこんな言葉を聞いてから。「好みでフラメンコははかれない。」

    あとちょこっとメモしておきたい。気に入ったのは、 ギタリストがガロティンのファルセータをほんのちょっぴり弾いた時、彼女はソンブレロ(帽子。ガロティンを踊る時に使われる。)をかぶっていないのに、あたかもかぶっているような手の動きをした所。あれは即興なのかなぁ。実は、今私はガロティンの振付けをしているんです。そんなわけで、私のアンテナにピンときてしまったのでした。

    とりあえず今日はここまで。

    次回はアンドレス・マリン公演、ファルキート公演、ムへレス公演をアップ予定です。お楽しみに〜!

    2010年9月30日 今日は、お友達に頂いたタイカレーを食べました。満足。 セビージャにて。

Sep 26
ペーニャ・フアン・タレガ公演大成功!
La Yunko | 新着情報 | 09 26th, 2010| Comments Off

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

さて、ご報告が遅くなりましたが、先日のペーニャ・ソロ公演は無事に終わりました。直前に「ぎっくり背中」になりどうなることかと思いましたが、踊っている時というのは痛みなんて気にならないですね。心配して下さった皆様、いつも応援して下さる皆様、本当にどうもありがとうございます。

前日の合わせに来なかったモイ。なんでも、毎日毎日エバ・ジェルバブエナの公演の合わせがあって抜けられなかったとのこと。朝11時から途中お昼休憩をはさんで夜19時くらいまで続くんだそうです。その後タブラオの仕事に行くから全然休みがないとのこと。「俺の人生はあの女(エバのこと)に握られているんだよ!ジュンコ!」と訴えていたけど。そりゃ大変だよね〜。でも私との合わせなんて1時間で終わるんだから、そのくらいの時間空けてほしかったんだけどな〜と思う私。でもま、いいか、もう本番だし。

ペーニャ・フアン・タレガはセビージャ郊外にある「ドス・エルマーナス」にあるペーニャ。歴史と格式のあるペーニャです。(ペーニャ・フアン・タレガHPはこちら→public-album.php?id=1&start=0

ちなみにペーニャとは、(以前の私のブログにも書いたような気がするけど・・・)スペイン語で「愛好会」の意味を持ちます。(私のブログの中で出て来るペーニャは「ペーニャ・フラメンカ」つまり「フラメンコ愛好会」の略です。)つまりフラメンコ愛好家が会員となって会費を納め運営するサークルのようなもの。アンダルシア地方だけでも300以上もあると言われるペーニャ。多くのペーニャがそれぞれの集会場所、バル、小舞台を所有しています。そこで会員同士フラメンコを楽しんだり、時にはアーティストを招いてフラメンコ鑑賞をしたりするわけです。

(※フラメンコ・フリーペーパーの「ファルーカ」にペーニャに関する私のエッセイが載っています。PDFファイルをクリックしてね。↓)

新聞・雑誌 タイトル・内容 PDFファイル
フラメンコ・ファルーカVol.16 2009年12月20日発行に掲載。 萩原淳子エッセイ「セビージャ・ダイアリー『ペーニャの魅力』」 farruca-3

そのペーニャで初めて踊ったのが3年前。私にとって初出演のペーニャが「ペーニャ・フアン・タレガ」でした。そして2度目の出演が去年。今回3度目。こんなに何度も呼んで下さるなんて本当に嬉しい。2階の楽屋に上がってみると壁一面にペーニャ出演してきた歴代のアーティストの写真が。そしてその隅っこの方に、なんと3年前の私の踊りの写真が!おおおおおおお!

リラックスした気持ちでストレッチをしていると、ペーニャ会員が続々と楽屋に挨拶に来てくれた。私のことを覚えてくれている人達がここにはいるんだ。感激。ギター、カンテと軽く合わせをしてもう本番。その日私はソレアとアレグリアスを踊った。3年前と同じ。でもこの3年間私はきっと成長してきたのだろう。どこがどういう風にとは言えないけど、そんな気がする。それを舞台の上で感じることができて嬉しかった。

セビージャからもお友達が駆けつけてくれた。数日前のセビージャのライブで私の踊りを見てくれた人達が、もっと観たい!とのことでこのペーニャにまで足を運んで下さったのだ。歌い手「ポラコ」までいた。ポラコは今、セビージャのビエナルで公演をしているはずだ。夏のフラメンコ・フェスティバルの常連の歌い手。そんな人が私の踊りをわざわざ観に来てくれるなんて?!「ペーニャの会長から『ジュンコの踊りはいいから観に来い』と薦められたんだよ」と言っていた。そして「私が観たのは日本人の踊り手ではなくフラメンカだったよ。」とも。ありがたや〜ありがたや〜・・・そしてペーニャ会長が近づいてそっと耳打ちしてくれた。「本当に素晴らしい公演だった!出演料を100ユーロ上乗せするからね。」やった〜!!!!!!!

写真撮影ラッシュにさんざんもまれた後、やっと2階に上がり着替えてミゲル、モイ、ハビエル達と乾杯をする。ここのペーニャはお料理がおいしいので、みんながんがん食べる。(特にモイ)舞台が終わってちょっと落ち着いた時、私はいつもアーティストに聞く事がある。

それは「今後自分が成長するにはどうしたらよいか。」ということ。

私が共演するアーティスト達はほとんど皆率直に意見を言ってくれる。これは非常にありがたい。思うに、その踊り手の真の実力を見抜けるのはギタリストと歌い手なのではないか。観客というのはその場の雰囲気や個人的な感情、思い入れ、好みに流される場合がある。評論家というのは踊らない。(これ、ミゲル・ペレスの言葉)嫉妬や偏見にとらわれずに意見を言える踊り手は少ない。

それまでもぐもぐ食べていたモイが言ってくれたある言葉が忘れられない。それは実は、私の心の中でずっと望んでいたことだったからだ。私が「そんなことできるかな・・・他の踊り手はどうしているんだろう」と言うとミゲルが言った。「他の踊り手はどうでもいい。これはジュンコにだからこそするアドバイスなんだ。ジュンコならできるよ。もう近いところにいる。」

モイとミゲルが言ってくれた言葉は、このブログにはしない。自分の中で大切にとっておきたいから。でもいつの日か、あの二人の言葉をきっかけに変わったんだ、と思えるようになるのかな・・・。そうなりたい。

セビージャでは「ビエナル・デ・アルテ・フラメンコ」という2年に一度の世界的なフラメンコの祭典が始まっている。素晴らしいアーティスト達の舞台を観て、そんな中、自分のペーニャ公演の踊りを振り返るなんてなんだかばかばかしくなってきてしまった。でも人づてに、あるイタリア人のフラメンコ留学生が言ってくれたことを聞いた。「日本人なのに、あんなに遠くの国の人なのにスペインで踊っているなんて。どんなスペイン人の公演よりもそのことに感動した。そして勇気が出た。」と。

私は私でその言葉に感動し、またがんばろうと思っています。

次回公演は・・・

2010.10.18 // カハ・ネグラ -(セビージャ)

Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子

 

  • フランシスコ・チャベス エル・プラテアオ
  • ウーリッヒ・ゴッドワード

 

ではみなさんまたお会いしましょう。季節の変わり目、どうぞご自愛下さいね。

2010年9月26日  今日はビエナル鑑賞お休み。セビージャにて。

Sep 17

みなさんこんにちは!いかがお過ごしでしょうか?

火曜日のセビージャライブはお陰様で大成功に終わりました。観に来て下さった方、応援して下さった方、どうもありがとうございました!

とはいえ・・・実は大変なことが・・・

日本から参加した浅見純子さん、市川幸子さん、岩田玲子さん、北原由香さんはライブの前々日にセビージャに到着。前日の合わせではみなさんへろへろでした・・・。由香ちゃんは熱中症にかかり顔色がsalamanquesa(サラマンケッサ:やもり)みたいになっていたし、いつも元気いっぱいで「ガハハハハ〜」と笑う純さんもその日は「ヵハハ・・・」くらいだったし。純さん曰く、セビージャは乾燥しているのであんまり暑くないように感じるけど、実は暑いから水分をちゃんと補給しないと体調を崩す、とのこと。なるほど。そうかもしれない。日本のような湿気はないのだけど、太陽光線が強いから外を歩いているだけで体力を消耗してしまうんだよね。・・・・そしてかく言う私も本番前日に「ぎっくり腰」ならぬ、「ぎっくり背中」になり腕が上がらない状態に。。。

本番当日、午前中に急遽マッサージに駆け込んだ私はちょっぴり回復。前日サラマンケッサだった由香ちゃんもなんとか人間に戻り、純さんも体調回復。しかし、今度は岩田玲子さんが・・・本番前の合わせもできない状態。やっぱり大変だよ・・・日本から着いたばかりでライブするっていうのは・・・

しかし!!!やっぱりみなさんプロですね。すごいライブが展開されました。(写真:アントニオ・ペレス)

1曲目はその日の体調ワースト1の玲子さんのグアヒーラ。いや〜素晴らしかった。久しぶりに素晴らしいグアヒーラを拝見致しました。この人が、本当にさっきまで、合わせもできずに椅子に座っていたあの玲子さん?!信じられない。1曲目で踊るというのは実はすごく難しいもの。でもそんなこともものともせずに、お客さんを、私たちを玲子さんのグアヒーラに巻き込んでいきました。素晴らしかった!玲子さん!!OLEEEEEE!

2曲目は市川さっちゃんのソレア・ポル・ブレリア。さっちゃんはいつも合わせの時に「どうしよう、どうしよう!」と焦っているのですが、この人の本番は別人。いや〜すごいわ、こんなに本番で化けられるなんて。いやそれが本当のさっちゃんなのかな。玲子さんのグアヒーラとは打って変わって、サパテアード&レマーテの連続のソレア・ポル・ブレリア。そのスピード感でお客さんを圧倒!さっちゃんにもOLEEEE!

1部の最後を締めくくるのは由香ちゃんのアレグリアス。プラテアオのカンテにもおのずと力が入ります。グラシア(愛嬌)のある動きの連続にお客さんもにこにこ。・・・とその時なんと由香ちゃんが舞台から落ちた!!!しかし私は見ていました。コンパスで落ちて、コンパスと共に舞台に上がった!これにはお客さんも私もOLEEEE!

休憩。カンテのプラテアオもギターのウーリッヒもここまでで既に大満足。しかし実は心配していたのは、もしかしてここで帰っちゃうお客さんも多いのかな・・・ということ。いやいや、そんなことはありませんでした。さらにお客さんも増えて2部突入。

2部の始めは純さんのティエント。素敵だったわ〜。確実な技術とエレガンシア。純さんの実力にお客さんもうなっていました。タンゴに入るレマーテも素晴らしかった。なんだか夢を見ているみたい。そんな気持ちにさせてくれる純さんのティエントにもOLEEEE!

そしてこのライブの最後が私のソレア。どうしよう、みんなすごい踊りで、ここで私の踊りがへっぽこだったら・・・とチラっと頭をかすめたけど、もうそんなことはどうでもいいや。とにかく私の踊りをするだけ。・・・と、気づいたら終わってました。私のソレア。無事に踊り終えた自分にOLEEEE!

みんな大満足でした。いいライブでした。プラテアオは一人で5人に歌い、本当に大変だったと思います。お疲れ様でした!カンテで、パルマで、ハレオで盛り上げてくれてありがとう!そしてウーリッヒのギターの素晴らしさ。みんなの踊りにぴったり寄り添って。ありがとう!こんな機会があったことに感謝!こんなライブをできる仲間に感謝!この瞬間を共有してくれたお客さんに感謝!全てに感謝!です。ありがとうございました。またいつかどこかでできるといいな、このライブ。

2010.9.17 // ペーニャ・フラメンカ「フアン・タレガ」 -(ドス・エルマーナス、セビージャ)22:30H

Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  • モイ・デ・モロン
  • ハビエル・リベーラ
  • ミゲル・ペレス

そして・・・今日はペーニャ・フアン・タレガでの私のソロ公演です。昨日の合わせでは、なんとモイが来なかった。最初で最後の合わせだっていうのに。・・・・なんだかんだ言っても、今日もう本番。背中はまだちょっと痛むけど大丈夫。3年前の同じペーニャでの公演では38度の熱を出したまま踊っていました。大丈夫。生きていれば踊れる。がんばってきます!

ではみなさんまたお会いしましょう。

2010年9月17日 これから大嫌いな衣装のアイロン掛けをしなくては・・・セビージャにて。

Sep 10
密輸してきたカルピスも全て飲み干し、こちらセビージャも真夏の暑さが和らいできました。
みなさまいかがお過ごしでしょうか?
私は元気です。来週火曜のライブと金曜のペーニャソロ公演の準備で大忙し。そして10/22(金)〜27(水)には日本でクルシージョを行います。あわわわわ〜と毎日過ごしています。
クルシージョは近日中に詳細を発表しますので、今日はセビージャライブとペーニャソロ公演のお知らせ!

2010.9.17 // ペーニャ・フラメンカ「フアン・タレガ」 -(ドス・エルマーナス、セビージャ)22:30H

入場無料(ペーニャ会員以外の方もお越し頂けます。)

Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子

 

  • モイ・デ・モロン
  • ハビエル・リベーラ
  • ミゲル・ペレス

 

2010.9.14 // ラ・プエルタ・ソル-(セビージャ)22H  , 5ユーロ 1ドリンク付

Baile Cante Guitarra
  • 浅見純子
  • 市川幸子
  • 岩田玲子
  • 北原由香
  • 萩原淳子
  • フランシスコ・チャベス`エル・プラテアオ`
  • ウーリッヒ・ゴッドワード

これって、実はすごい公演なんじゃないの〜?!(自分で言うのもなんですが)

9/14(火)のセビージャライブはなんだかバタバタ〜と決まりました。2年に1度のフラメンコの祭典「ビエナル・デ・アルテ・フラメンコ・セビージャ」を観に来る北原由香ちゃんから「セビージャでライブやる?」という話を持ちかけられたのは夏くらいだったかな。最初は、ビエナル期間中は他の公演がたくさんあるからお客さんが来ないかも・・・なんて話していたのですが、それなら9/15のビエナル開幕前にライブをやってしまおう!ということに。そして由香ちゃんと一緒にセビージャに来る、浅見純子さん、市川幸子さん、岩田玲子さんも参加!おお!

実は4人とも10年以上前からの知り合いなのです。当時皆AMIさんのクルシージョを受講していた仲間。AMIさんのクルシージョを受け始めた時、私は19歳でした。浅見の純さんは碇山奈々さんの舞踊団で大活躍、北原由香ちゃんはセビージャ留学から帰国したばかりのばりばり、岩田玲子さんは広島でお教室を持っていらっしゃり、市川さっちゃんは相変わらずのグアッパ(美人)。そんな中私は初心者だったし、なんだか自分が子供じみているように感じていました。みんな素敵な大人の女性で・・・年月が経ち今では私もそういう年齢にはなったのですが、相変わらず中身はあんまり変わってないのかな〜。でも態度が少しデカくなり、みなさんと仲良くなりました。・・・・という5人のジョイントライブ。楽しみ。

カンテは以前日本のエル・フラメンコで歌っていた、フランシスコ・チャベス・エル・プラテアオ。私は日本でも一度共演しています。彼は最近ミゲル・バルガス等とも共演し、ひっぱりだこの歌い手。ギターはウーリッヒ・ゴッドワード。何ジン?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ドイツ人です。「え〜?ドイツ人がフラメンコ・ギターを弾くの?!」と思った方。そりゃ、あなた、「ハポネサ(日本人女性)がフラメンコ踊るの?!」と思う田舎者(失礼!)と同じですよ〜。ウーリッヒは自国ドイツはもちろんのこと、スペインや海外でも活躍するギタリスト。ホセ・ガルバンの伴奏もしています。ウーリッヒのギターはいいです。ふっと寄り添ってくるような、自分がいつの間にかギターの中に入っているような。

このライブがセビージャでしかも5ユーロ1ドリンク付きで観られる?!しかも私たち5人が、あのミゲル・ポベダよりも一足お先にビエナルを開幕しちゃいますからね〜!これは見逃せません。

そしてその3日後には私のペーニャ・ソロ公演があります!ドス・エルマーナスはセビージャ郊外の街。電車で20分くらいのところかな。ペーニャ「フアン・タレガ」は私にとって思い出深いペーニャのうちの一つ。3年前、私が初めてペーニャ公演をしたのがこのペーニャ。セビージャで行った私の自主企画ライブを観に来て下さったペーニャの方が、その場でペーニャ公演出演のお話をもちかけて下さったのでした。そしてその後また踊る機会を頂き、その時に歌ってくれた留学中の小里彩ちゃんと共に、私はセビージャ大学から表彰を受けてしまったのです。ペーニャの方は私のHPをチェックして下さっているようで、ロンダ・コンクールの優勝後、3度目のペーニャ出演のお話しを下さったのでした。

そしてメンバーはそのロンダ・コンクール優勝に導いてくれたミゲル・ペレス、モイ・デ・モロン、ハビエル・リベーラです。そんなペーニャ「フアン・タレガ」での公演、彼らとの再共演で私は意気揚々!というわけで、先日合わせの日程を決めようと彼らに電話をしたところ・・・ハビエルもモイは「いつでも空いているよ〜」とのこと。え?拍子抜け。確かハビエルは今回のビエナルのラファエル・カンパージョの公演に、モイはエバ・ジェルバブエナ舞踊団の公演に出るはず。彼らとの練習で忙しくないのか????ミゲルに電話したところ、「今決めてもいいいけど、また来週には予定が変わるかもしれないよ。」だって。え〜だって公演は来週なのに〜。日本人のギタリストや歌い手さんのスケジュールは半年前には押さえないともういっぱいらしい。時には1年前なんて話も・・・そんなに前から予定を決めるのもびっくりだけど・・・。

でも考えてみたら、日本からビエナルに来るお友達や生徒さんから「9月◯日の◯時が空いています。会いましょう!」とメールを頂き、せっかくだから是非会いたいのだけど、正直、先の話をされてもなんとも答えられない。別に他に入るであろう予定を優先したいから予定を入れたくないというのではなく、その日に近づかないと予定を立てるという感覚がピンと来ないのだ。ただ、その日に近づく、という感覚が人によって違うのだろう。それが数ヶ月前の人もいれば、1週間前の人もいるし、前日、もしくはその日当日という人もいる。きっと生活スタイルの違いなんだろう。なんでも前もって予定を立て、その通り遂行する日本社会。予定は早ければ早いほどいい。と、もちろんある程度のスケジュールはあっても、毎日何が起きるか分からないので予定の立て用がない即興の時間がある、ここの生活。「まだ起こっていないことについて考えるのは意味がない」と言い、その日その瞬間を生きる人達。

私はどっちなんだろう。多分中間くらいなのかな。でも合わせの日時くらいは公演1週間前には決めたいよね。「私はハポネサだから予定を立てるのが好きなの!」とミゲルにふざけて言ったら、彼は大笑いしていた。そうねぇ、今日あたりまた電話してみるかな。

というわけで、セビージャにいらっしゃる方は、是非この2公演お見逃しなく!ペーニャ公演にいらっしゃりたい方、帰りの電車はありませんが、車はあります。萩原までご連絡下さい。

ではみなさんまたお会いしましょう!

2010年9月10日 セビージャにて。

Sep 1
ロンダ・フェスティバル批評
La Yunko | ブログ, 論評, 新着情報 | 09 1st, 2010| Comments Off
みなさんこんにちは!いかがお過ごしでしょうか。
あっと言う間に9月になってしまいました。夜はちょっと涼しくなったかな?とも思いますが、日中はまだまだ暑い・・・どのくらい暑いのか・・・お昼間外に出る時にドアを普通に閉めてはいけません。ドアノブが熱くなっているので手をやけどしてしまうから。町中では動物的な嗅覚で日陰を探す。忍者のように壁に張り付いて歩いていると、向こうからも同じような忍者がやってくる。どっちが日陰を死守するか一瞬のせめぎ合いがある・・・そんな暑さ(熱さ)かな???
さて、ロンダ・フェスティバルの新聞記事と批評をアップします。例の新聞記者は結局私のところへ記事を送ってくれませんでしたが(今のところ)、フラメンコ・ジャーナリストの志風恭子さんが送って下さいました。フェスティバルに出演した歌い手クーロ・ルセーナが志風さんに送って下さったそうです。その記事ともう1点、そして志風さんのブログの3点です。
  • 志風恭子さんのブログより「ロンダのフェスティバル」blog-post_22.html
  • ロンダ新聞「SERRANIA DE RONDA」?p=988 2010年8月25日(パコ・バルガス氏による批評)
  • ロンダ新聞「RONDA SEMANAL」2010年8月28日(ディエゴ・ディアス・ベルランガル氏による批評)


よりによって、なんでこんな変な写真載せるの?!と思ってしましましたが・・・(撮る角度が90度違うし、あと半コンパス待ってよ〜と言いたい。)他のアーティストより写真がでかいよ。しかも全面。いいんだろうか・・・・???そして続く文章は・・・・

「素晴らしいフェスティバル。フラメンコ愛好家が数年ぶりに楽しむ。」

成功。私の知る限り前代未聞。フェスティバル団体の真摯な努力の成果。出演したアーティスト達の比類ない質。そしてその場にいた様々な観客。もちろん満席でそこから立ち去る者はいない。

〈中略〉

このフラメンコの夜、踊りの番になった。熱烈な喝采を受けたのは「ラ・ジュンコ」というアーティスト名のハギワラジュンコだった。川崎市(日本)出身。東京にてAMIに師事。2002年セビージャへ渡り、ホセ・ガルバン、トロンボ、ミラグロス・メンヒバル、カルメン・レデスマなど多くのアーティストに師事。セビージャ・セントラル劇場やロペ・デ・ベガ劇場に出演。サラゴサ万博とマドリッド劇場では小松原庸子スペイン舞踊団公演に参加。同時にサラ・バラス、マティルデ・コラル、エバ・ラ・ジェルバブナなどの一流アーティストの短期講習会にも参加。

「ラ・ジュンコ」の舞踊歴はたくさんの賞によって彩られている。その踊り手はミゲル・ペレスのギター、ミゲル・ピクオとモイ・デ・モロンのカンテとともにソレアで幕を開けた。そのソレアでは技術、決まり事への熟達、踊り手としての間違いない資質を示した。しかしそれらを消し去るほどの造形・調和の美を私たちにもたらした瞬間が何度か訪れた。サパテアードに長けた踊り手、しかし腰から上の踊りも忘れてはいない。腕の動き、手の表現、頭を持ち上げる威厳さは非常に女性的で人々を魅了する。そして私の記憶に留まり続けているのは、全ての(アンダルシア)人の感情を喚起させるその表情・表現である。

赤いバタ・デ・コーラで次の踊り、アレグリアス・デ・カディスをたたみかけた。身体の小さいこの踊り手は舞台の上で大きくなり、踊る程に成長した。私が思うに、ラ・ジュンコは心を持って踊ると同時に、考えてもいる。とりわけ女性として踊る。非常に女性らしい。

というような感じでしょうか。(ちなみに自分で訳してみました・・・)

最初に記事を読んだ時に大体の内容は分かったけれど、所々「?」の部分があったのでお友達のスペイン人に聞いてみました。説明されて「あ〜、なるほどね〜」と思う部分もあり「え?!そういう意味だったの?!」と思う部分もあり。まだまだ自分のスペイン語力は弱いなと痛感しました。言葉の意味が分かっても文脈の中では異なったり、アンダルシア独特の表現だったり。言葉って文化なんですよね。フラメンコももちろんそうで、やっぱり外国の文化を学ぶっていうのは大変なことだな、と思います。

そして今度はそれを日本語に訳すのがまた大変!スペイン語をスペイン語で理解できても、それは日本語ではどう表現するのか、難しいよ〜。きっとスペイン語に精通している人だったらもっとうまく訳せるのでしょうが。でもフラメンコを知ってる人が訳すのとそうでない人が訳すのとではまた違う気がする。そして自分の日本語力のなさも痛感。・・・・というわけで本当に下手な訳だと思いますが、お許しを!「こういう風に訳した方がいいのでは?」というご意見がありましたら是非ご連絡下さい。参考にさせて頂きます。

久しぶりに脳みそを使って疲れました。今日はこれにて。お休みなさい・・・・ZZZZZ・・・

2010年9月1日 今年初のいちじくを食べました。 セビージャにて。