Mar 27

Captura de pantalla 2013-03-24 a la(s) 15.50.39みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか?

今日は4月6日(土)・7日(日)公演の照明合わせをしました。照明合わせとは、公演の照明スタッフさんとお会いし、踊りと当日の衣装を実際に見て頂くこと。そして舞台の流れを決めること。さらに音響スタッフさんと舞台監督さんにもお越し頂き、4人で打ち合わせをしました。舞台監督さんとはすでに何度か打ち合わせをしていましたが、照明さんと音響さんのお二人とお会いするのは初めて。すごく緊張しましたが、実際お会いしてお話したらとてもリラックスできました。やはり電話やメールではなく会ってお話するのってとても大切ですね。

公演の演出は私が行いますので(踊り手さんによっては「演出家」さんにお願いする人も)、曲や舞台の流れや照明プランのイメージなどを手書きの図で(下手な絵です)準備し、皆さんに見て頂きました。最初は音響さんと打ち合わせ。マイクの位置や数、種類の確認、私の図にどんどん必要なことを書き込まれていました。さすがプロです。早い早い。こちらの質問にもするするとお答えされ、音響に関しては30分くらいで確認終了。

次は照明さんご登場。同じ図でご説明。照明に関しては私は素人ですが、生意気にもいろいろと照明の注文をしてしまいました。こんなに注文していいのかな、と気にしつつも、照明さんはニコニコして頷いていらっしゃったので、私の説明は止まらない。なぜこの照明にしてほしいか、なぜこの舞台転換になるか、その意味の説明から、そもそもこの舞台において私が何を訴えたいか、そこから端を発して全部のプランを考え検討した結果だということを。いろいろなことを申し上げた後、あ、ちょっと私爆走してしまったか・・・と気付き(いつものことですが)、「すみません、素人なのに」と後から謝りました・・・。

でも照明さんはやはりニコニコされていて、こんなことをおっしゃっていました。

「ほとんどの方が何の照明プランを持たずにただ踊るんですよ。そうすると、こちらは何からふくらましてよいのか分からない。糸口というのがないから、こちらがそれを探すことになる。それが大変なんです。だから言ってもらった方がいいんです」

あ、そうなんだ。とホッとしました。

そして次に実際の衣装をお見せし、今度は踊る。本当はギタリストや歌い手も揃っていた方がいいのでしょうが、まだ来日していないので、ヘレスで合わせた時の録音で。踊りの部分だけビデオに録画され、大体の踊りの流れや雰囲気を確認、細かい照明の位置などを決められていました。私の照明プランを元に、プロの照明さんの立場からいくつかアドバイスを頂きました。私の意図を理解して下さった上で、この場合はこうした方がいいとか。タイミングはもう少し後で、とか。なるほど、なるほど、さすがプロです。萩原、感心。「餅は餅屋」ということでそれは照明さんにお任せ。

あとは会場となるアルテリオ小劇場の舞台図をご覧になり、その空間を生かすための舞台上での動きのアドバイスも頂きました。なるほど、なるほど。舞台で踊ることを想定して今までずっと練習してきたけれど、でも「舞台」といっても劇場によってその空間は違う。舞台空間も客席空間も。それはいろいろな劇場でお仕事をされてきたプロの方だからこそ見えるものだと思うのです。本当に勉強になるなー。

後は細かい小道具の確認。ここまでで開始から約3時間。全てにおいて舞台監督さんは最初から最後まで確認されて今日の照明合わせと打ち合わせは終了でした。

本当はもう1日打ち合わせの予定でしたが、今日の分で全て終わってしまったので、後はミゲルとモイが来て3人全員揃ってから、また舞台監督さん・照明さん・音響さんに合わせを見て頂き最終確認。そして本番。

今日は、正直すごく楽しかったです。ものすごく勉強になって、そしてみなさんとコミュニケーションをとり舞台を一緒に創ってゆく過程が。本番まであと少しで緊張や不安もあるけれど、でも今日はすごく楽しかった。舞台創りって楽しい。この演出プランを考えるのに、もう本当に何ヶ月もずっと考え続けていたけれど今日やっと晴れ間が見えました。

公演まであと少し。体調に気をつけてがんばります。たくさんの方々からの応援メッセージにもお応えできるように!ありがとうございます!

2013年3月27日

※公演チケットは両日ともにあと少〜し残っています。完売になる場合は当日券のご用意はできませんので、

ご希望の方はお早めにticket.layunko@gmail.com までご連絡下さいませ!お待ちしております!

Mar 24
東京タワーと私
La Yunko | スケジュール, ブログ, 次回公演 | 03 24th, 2013| Comments Off

c4641139c2d001b1d0c6b3bc065d62deみなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

今日は6時間のクラス後、3時間自主練習。よくもまあ、体力あるな、と自分でも驚きあきれかえります。クラスの後はぐったりで、(教えるのって本当にエネルギーを使います)自分の練習なんかできるかい!と思うには思うのですが、ヘレスで練習したミゲルのギターとモイのカンテの録音を聴いていると、星飛雄馬のように目玉メラメラ〜になり、ちょっと踊りだすと止まらない。教えるのとは別のエネルギーがどこからか湧いてくるのです。不思議ですね。今日もいい練習をした!これだ!というものが出てきました。それが本番舞台の上で出てくるとは限らないのですが、自分のインスピレーションの回路をスムーズにしておく、これは重要なことです。同じ振付を1000万回繰り返してもそれは出てこない。体操競技やシンクロナイズドスイミングじゃないからね、フラメンコは。失敗なく練習に近い出来にして全てにおいて高得点を競うのがスポーツ。フラメンコは一瞬100000点を狙うもの。その一瞬さえあればいい。でもその一瞬はそのインスピレーションの回路が詰まっていると絶対出てこない。かといって全然練習しないのもだめ。難しい気がするけど、要は考えなければよいのです。考える練習と考えない練習。このバランスをとるのが大切です。少なくとも私にとっては。

自主練習後外に出たら、東京タワーが光っていました。

美しい。

懐かしい。

あれはかれこれ15年以上前になるでしょうか・・・まだAMIさんがスペインにいらして、日本に一時帰国クルシージョをされていた時代。私はAMIさんのクルシージョに通っていた大学生でした。フラメンコを始めて2年くらいだったかな?AMIさん、森下祐子さん、長谷川典子さんの舞台共演者に大抜擢されてしまったのでした。大学のフラメンコサークルでセビジャーナスとルンバくらいしか習ったことのない私が。ありえない。だ〜れも信じてくれませんでした。公演のチラシに私の名前が出ても、サークルの仲間からは「萩原淳子って同姓同名の踊り手がいるんだね」と言われるし。それが出演する事になっちゃったんです。当時AMIさんのお弟子さんとして生え抜きだったお二人の踊り手さんと私の3人が共演者。ありえない。でもAMIさんがお声をかけて下さったのです。

練習は本当に大変でした。当時は六本木に一番街スタジオという巨大なバレエスタジオがあり、AMIさんはそこでクルシージョを開講されていました。クラスの後、私は居残り。とにかく他の共演者に比べて圧倒的に下手だった私。下手もそうですが、何も知らない。分からない。公演用の振付を習っても全然できない。全くできない、本当にできない。舞台上手(かみて)前方から下手(しもて)後方まで対角線上にプランタでアクセントをとりながら、上体斜め45度の角度でパルマをたたいて歩く、というのがありました。踊りを習っていらっしゃる方、やってみて下さい。

①プランタの音がきちんと出ていないといけない(AMIさんレベルで)

②かかとは絶対に落としてはいけない。(タコンの音をならしてはいけない)

②パルマの音もきちんと出てないといけない。

③ひじは落としてはいけない。

④上体斜め45度は絶対に保つ。

⑤テンポを一定に保つ。コンパスは絶対外さない。

⑥歩幅も一定に保つ。

今やっても結構難しいんじゃないかと思うのですが・・・これが当時は全然できなくて、まず両足プランタでまっすぐ立てない。腹筋・背筋が弱くて身体べろんべろんだったから・・・。

そもそも、舞台の上を歩くことができないんじゃないか、という結論になり、その巨大な一番街スタジオで歩く練習。ただひたすらスタジオ内を対角線上に歩く。「手をぶらぶらさせない!」「胸を開く!」「上体に力入れない!」「もっと早く!」とAMIさんの声がスタジオ内に響いていました。

さんざん歩き通して、スタジオ閉まっちゃうよ、という時間になり表に出ました。AMIさんから駅までの近道を通ろうと言われ小道を歩いていると、急に視野が開け目の前に東京タワーがど〜ん!!!光る東京タワーが!!!あまりの美しさに涙が出ました。東京タワーだけは私の練習を見ていてくれたのかもしれない。

そう、あの時も東京タワーが光っていました。

そして今日も。

あれから年月が過ぎ、私は自身のソロ公演を劇場で、そしてスペイン人アーティストを招聘することになったんだ。そのアーティストもスペインで共演しているミゲルとモイ。こんな人生になるなんて、あの時、一番街スタジオをただひたすら歩いていた20歳の私は想像だにしなかった。

でもきっと、私の中の「何か」はあの時のまま、ずっと変わらないような気がする。ずっと。

2013年3月24日

※公演は残席少なくなってきました。ご希望の方はお早めにticket.layunko@gmail.com までご連絡下さいませ。(フラメンコフリーペーパー“ファルーカ”Vol.29 p.15に以下の広告掲載です。ご覧下さいませ。)

Captura de pantalla 2013-03-24 a la(s) 15.50.39

Mar 19

4月6日(土)・7日(日)公演フライヤー表面 4月6日(土)7日(日)公演フライヤー裏面みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

昨日今日クルシージョはお休みだったので、4月6日(土)・7日(日)萩原淳子在西10年記念フラメンコ公演「ハモンは皿にのせるだけでよい」公演の練習を一人でしていました。

共演のミゲルとモイと私の3人揃ってセビージャで合わせをしたのは実は1回だけ。全然スケジュールが合わなかったのです・・・。それも先日ブログにしたヘレス・フェスティバル併行追加アクティビティライブの後。つまりあの公演はほぼぶっつけ本番で、日本での公演の合わせをその後に行いました。ライブはライブで楽しかったのですが、その後の合わせがすごかった。凄まじい。ミゲルもモイも本領発揮という感じでした。ヘレスの貸しスタジオで行われた合わせ。通りすがりの人が立ち止まったり、写真やビデオを撮ったり。私はいつものユニクロの練習着だったのですが。(ユニクロいいですよね!)

その凄まじい1回のみの合わせの録音を聴きながら最近は練習しているのですが、すごい。合わせの練習でなんであんなカンテが出てくるのか。モイ・デ・モロン。踊っていたら涙が出て来てしまいました。本番はどんなカンテになるのだろう。

ミゲルのギターももちろんいい。ミゲル・ペレス。彼は私が長年いろいろなギタリストと共演してやっと巡り会ったギタリストです。いろ〜んなギタリストがいました。みんなもちろんプロフェッショナルで上手い。でもミゲルのようにフラメンコだけでなく、人間的な部分でもぴったり来た人はいなかったんだな。そして長い年月の中で私の辛酸をいつも舞台の上と裏で見ていた人。そしていつも私に正直なアドバイスをくれた人。だからこそ日本で公演をするならば、絶対にミゲルと共演するのだ、と心の中で決めていました。数年前から。だから今回の公演は本当に嬉しい。

・・・でも、大丈夫かな、と不安になることも。

今日は劇場のスタッフさんと舞台監督さんと私で打ち合わせをしました。劇場スタッフさんはハキハキしていて頼もしいですが、テンポの遅い私はその回転の早さになかなかついてゆけず・・・劇場公演初めての私にはいろいろと要領がつかめず・・・皆さん普段のお仕事の合間に打ち合わせをして下さるのですから、急いで当たり前ですね。セビージャじゃないんだ、ここは。と改めて思いました。

そして打ち合わせの後もう一度舞台を客席から拝見させて頂きました。

いい。

とてもいい劇場なんです。川崎市アートセンター アルテリオ小劇場 (小田急線「新百合ケ丘駅」北口より徒歩3分)。何度も言うようですが。客として一度この劇場で観てみたい。いい。小劇場なので一番後ろの席からも舞台がきちんと見える。しかも劇場としての格式がある。ここはいい。

その後、舞台監督さんと二人で、公演の流れや照明・構成などを詰めました。私が考えていた構成や演出プランは大体できそう。多少変更する必要もありますが。来週、音響さんと照明さんに踊りを観て頂き、さらにそのプランを練ってゆきます。こうやって公演ができてゆくんだ。

・・・不安もありますが、少しずつ希望と期待もふくらんでいます。

お陰様でたくさんのお客様にお越し頂けそうです。北は北海道、南は福岡から、関東以外からもたくさんのお客様がいらっしゃいます。(ご検討中の方はお早めにチケットご予約下さいませ。)

・・・不安もありますが、どんどんエネルギーが溢れてきます。

フラメンコとは何か、ということに真っ向から対峙してきた私のセビージャでの10年。だから公演サブタイトルは「萩原淳子 在西10年記念フラメンコ公演」。そしてタイトルは「ハモンは皿にのせるだけでよい」。タイトルそのままです。ハモンには花も飾りもソースもいらない。なぜならそれだけで美味しいから。余計なものは必要ない。

そう、私にとってフラメンコはそういうもの。

ミゲルとモイと私と、そして当日会場にお越し下さる皆様でフラメンコの瞬間を共有できますように。当日来られない方々の所までそのエネルギーが伝わりますように。

ただそれだけを願って。

2013年3月19日(火)   日本にて。

Mar 17

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

私は元気です。東京での「第11回少人数制クルシージョ」も3月15日(金)より開講。いつもの受講生、新規の受講生たくさんの方にお越し頂いております。ありがとうございます。今回の人気上位3クラスは「バタ・デ・コーラ・テクニカ基礎」「マントン・テクニカ基礎」「カンテ重視のアレグリアス」。バタとマントンクラスに関しては毎回キャンセル待ちの方が非常に多く、今回はいつもより広めのスタジオで開講し定員を少し増やしましたがそれでもやはりキャンセル待ちの方がいらっしゃいます。本当に申し訳ございません・・・。かといってとにかく人数をいれてしまえ!という質より量のクルシージョは避けたいのです。だってそれでは受講生がきちんと学べないでしょ。受講生にきちんと学んで頂いてこそ教える意義があるというもの。そうでなければわざわざ日本に来る意味がない。

すごく嬉しいことがありました。前回の「サパテアード原点」クラスを受講された方が、今回のクルシージョで開口一番「クルシージョを受けた後、普段のお教室の先生から『プランタの音がよくなった』と褒められたんです」とおっしゃって下さいました。よかった!きっとこの受講生の方は前回のクルシージョの後学んだことをきちんと復習されたに違いありません。そうでなければ、サパテアードの音は変わりません。私は魔法の棒を持っているわけではないのです。頭の上で棒をトゥリーン☆とすれば、急に踊りが上手になると思ったら大間違い。努力が必要なのです。そして今回、同じく「サパテアード原点」クラスを受講されている新規の方からも「問題があるのは分かっていたけど、どうすればよいのが分からなくてもやもやしていました。教えてもらえてすっきりしました。」と。とても嬉しいですね!ありがとうございます。

「サパテアード原点」クラスは前回のクルシージョではキャンセル待ち続出だったのですが、なぜか今回は受講生3名くらいしかいらっしゃいません。昨日今日で2回分が終ってしまいましたが、3月20日(水祝)・23(土)・24(日)とまだ3回分残っています。毎回内容が異なるので単発受講も可能。ご興味のある方はこのHPクルシージョ で時間割詳細をご確認下さいね。

ちなみに今回の一時帰国中は東京だけではなく、福岡(4月20日・21日)、大阪(5月5日・6日)でも開講します。福岡・大阪ともに前回のクルシージョでご好評を頂き、第2回目のクルシージョ開講となっております。いくつかのクラスで満席の所もあるようですが、まだ空きのあるクラスもあるようです。ご希望の方は、上記「クルシージョ」で詳細をご確認頂けます。

さらに嬉しいこと。前回の「第10回少人数制クルシージョ」の受講料一部を、東日本大震災復興支援センター“サンガ岩手” さんの活動に役立たせて頂きました。私がセビージャで購入したフラメンコ水玉の布で巾着袋を作って頂いたのです。それを4月6日(土)・7日(日)萩原淳子在西10年記念フラメンコ公演「ハモンは皿にのせるだけでよい」 と今回のクルシージョの両方にお申し込みして下さった方々にプレゼントしていますが、大好評!「大切にします」「かわいい」「東北出身なので嬉しいです」etc…とたくさんのメッセージを頂いております。上記に該当する方でまだ受け取っていらっしゃらない方は、クルシージョ時にご用意していますので、おっしゃって下さいね。

サンガ岩手の皆様、本当本当ににどうもありがとうございました。プレゼントをお渡した皆様には、サンガ岩手さんから送って頂いた活動内容のプリントもコピーしてお渡ししております。少しでも多くの方にこの輪が広がるといいなと思います。

今日本にいてよかったなと思います。スペインに残っている夫の事を考えるとつらいですが。

2013年3月17日  夫は今頃きっとシエスタ中。 ・・・・と思っていたら夫から電話がかかってきた〜!

Mar 13

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

お陰様で無事、昨日帰国致しました。さっそく花粉のお出迎え、ありがとうございます・・・という訳で医者に直行、花粉症の薬を頂きました。今年は昨年の3〜5倍とのこと大変です・・・

今週の金曜より「第11回少人数制クルシージョ」(東京・3月15日〜5月3日)を開講致します。いつもたくさんのお申し込みを早々に頂きありがとうございます。今回もすでに定員締切となっているクラスもありますが、まだ空きのあるクラスもございます。ご希望の方はこのHPクルシージョ にて詳細をご確認の上このHP 連絡先 もしくは layunko@gamil.com(ハギワラ)までご連絡下さい。クルシージョ詳細添付ファイルがお開きになれない方には直接こちらから添付メール致します。クラスに関するご質問等もご遠慮せずにお問い合わせ下さい。

 なお4月6日(土)・7日(日)開催する萩原淳子在西10年記念フラメンコ公演「ハモンは皿にのせるだけでよい」の公演のチケットお申し込みもたくさん頂き誠にありがとうございます!両日ともにSS席は完売御礼、A席完売間近、S席も残りが少なくなってきております。ご希望の方はこのHP 公演情報 にて詳細ご確認の上 ticket.layunko@gmail.com までご連絡下さい。

クルシージョと公演チケット両方をお申し込みされる方はどちらかのメール宛で構いません。受講料とチケット代を合わせてお振込頂けます。

それと別件、ご連絡が遅くなりましたが、昨年10月に開催された「魚の選び方を知った時」公演(新宿エルフラメンコにて)の一部、アレグリアス・コン・バタ・デ・コーラをYouTubeアップしてあります。このHP ビデオ にも追加しましたので是非ご覧下さい。

ちなみにこの動画、実は私が一番アップしたかった部分(2つ目の歌振り)はカットされています・・・動画アップの場合、私は必ず共演者に事前確認を行いますが、公演当日歌い手のインマ・リベーロが風邪を引いていて、本人曰く高音が出なかったとのこと。その部分はアップしないでほしいとインマに言われましたので泣く泣くカット。確かにインマの本来の調子で歌えなかったのかもしれない・・・でもそれでもあの瞬間が私にとっては一番カンテと一体化した瞬間だったのでアップできなくて本当に残念。あの場にいた方はその瞬間を共有されたかと思いますが。

でもインマの気持ちもよく分かります。時々人の踊りを勝手に録画し動画アップする方がいらっしゃいます。ご本人は好意のつもりなのかもしれませんが。せめて事前連絡するのが礼儀というものではないかと思うのは私だけでしょうか・・・インターネットが普及していい部分もあれば悪い部分もあると思います。しかも、今日の踊りはまずかった・・・という時に限ってそういうことが起きたりする・・・まずい踊りをする自分が悪いのかもしれませんが。そんな自身の経験もあるのでインマの気持ちはとてもよく分かります。でも、インマ、あの瞬間を私は絶対に忘れません!!!フラメンコは生もの。その瞬間瞬間が命。その瞬間に命を与えてくれたインマにole です。YouTubeにはアップできなくても、しっかりと私の心に刻み付けられています。きっとあの場にいた方々にも。

2013年3月13日 日本自宅、こたつの中にて。

Mar 10

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

先週より、セビージャ→マドリッド→ヘレス→セビージャ→へレス→セビージャ→へレス→セビージャと移動の毎日でした。そして明日月曜には日本へ!なんとまあ、バタバタの毎日。しかもこの間踊りの仕事も2つ。体力だけが取り柄の私です。

さて、そんなさなかご連絡が遅くなりましたが、3月2日(土)ヘレス・フェスティバル併行追加アクティビティライブが無事終了しました!よかった〜!

いろいろご報告したいのですが、なんせあと7時間後くらいにはセビージャを発つので、あまりゆっくりブログできません。荷造りは大体終りましたが。

ひとまず、ライブ写真アップです。(写真:アントニオ・ペレス)

  

  

ちなみにに会場となったギャラリーで開催されている写真展「Being There…」は Steve kahn(スティーブ・カーン) というアメリカ人写真家のフラメンコ写真展です。素晴らしいです。スティーブさんは元々、クラシックとフラメンコギター練習生でした。モロン・デ・ラ・フロンテーラのギタリスト“ディエゴ・デル・ガストール”の録音を当時耳にし、今までに一度も聴いた事のない音に衝撃を受け、23歳の時に初めてモロン・デ・ラ・フロンテーラの地に立ちます。1967年5月のことでした。そして彼はその土地に息づくフラメンコを、アーティストの日常の写真を撮り始めたのです。彼は言います。「私はただそこにいたかった。(“Being There”)彼らが生きる場所に、フラメンコが生きるその土地に。」

なんという感動的な話か。1967年ですよ、モロン・デ・ラ・フロンテーラですよ、アメリカ人の若干23歳の男の子が、ディエゴ・デル・ガストールの録音を聴いただけでモロンに行ってしまった。彼もすごいが、そうさせてしまったディエゴ・デル・ガストールもすごい。このギタリストは本当にすごい。確かこのブログでも以前紹介したことがあるような気がします。Diego del Gastor(ディエゴ・デル・ガストール)。最小限の音で無限大のフラメンコを表したギタリスト。彼の手にかかれば「エリーゼのために」のメロディーですらフラメンコになってしまう。モロンだけでなく、世界中のフラメンコ愛好家に多大な影響を与えた、そして今もこれからもずっとずっと影響を与え続けるでしょう。

写真展にはそのディエゴ・デル・ガストールやモロンやウトレーラのアーティストの日常を切り取った写真が飾られています。奇遇なことに、歌い手モイ・デ・モロンの後ろに飾られている写真のアーティストは、なんとモイの家族だった!モイ大興奮!

ちなみにこの写真展は5月18日まで開催されています。Galería de Sánchez de Lamadrid. Calle Pozo del Olivar 19, Jerez de la Frontera. アントニオ・エル・ピパのスタジオの近くです。ヘレスにいらっしゃる方、必見です!

正直言って、この写真展の方が今年のヘレスフェスティバル期間中に観た劇場公演のいくつかよりも、ずっとずっとフラメンコでした。どうしてあれらの劇場公演は、「ショー」化しているのだろう。踊りが上手で照明や構成も凝っていて、舞台展開も面白い。でも、ああ、フラメンコだ・・・という実感がまるでない。何も心に届かない。

私は自分のライブ後、改めてギャラリーにおもむき、写真の前に立ち尽くしました。スティーブ・カーンさんのフラメンコに対する熱い思い、愛情、アーティストに対する、その土地に対する敬意というものが写真から溢れ出ていて、その中にいるだけで幸せでした。そしてその数日前にその空間で踊れたことに感謝しました。ありがとう、フラメンコ。

2013年3月10日 セビージャにて。