May 29

1005698_10151528442099724_2086856071_n 966865_10151528442189724_800002921_oみなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

セビージャは明日休日。カトリックの「聖体祭」と呼ばれるものらしいです。スペインはカトリックの国でカトリック関係の祝日が多い。関係のない私は、しかも勤勉な日本人の私は「また休みかー」とか思ってしまうのですが。私の住んでいる所はセビージャのど真ん中にあるので、祝日の前となると大勢の人が外に繰り出す。そして今日は「聖体祭」の前日ということでカトリック信者の音楽隊がひっきりなしに行進しています。

セビージャに戻ってから2週間、生活を戻すためにがんがん練習してきたので、今日はちょっと一息。練習だけでなくて、クルシージョやライブのお申し込み受付、準備も結構大変。日々の生活。やることがたくさんあり過ぎて、やってもやってもなかなか終わらない。毎日毎日あっという間に過ぎて夜になり、あーやっと眠れると思ったら、もう朝です。

今晩は夫が外でご飯を食べてくるというので、イエーーーイ!!!!外を行進している音楽隊を見下ろしながら(うちは日本でいう4階)ベランダで一人で缶ビールを飲んでいました。うまい!!!!夫と二人で飲むお酒も美味しいけれど、一人で飲むのもおいしいのです。

セビージャに着いてから、ソラジャ・クラビホのクラスに入りました。ソラジャに習うのは数年ぶりです。なぜソラジャに習う事にしたかというと、ちょっと前に東京のタブラオで観たソラジャの踊りが素晴らしかったから。あのライブ録画はDVDで発売されるはずですが、やはりフラメンコは生で観た方がいい。あんな素晴らしい踊りを東京で観られるとは思っていませんでした。ティエントとタンゴです。いやー素晴らしかった。あんな素晴らしいものを観せてもらって、習わないわけにはいかない。こちらにいると目と耳がいやでも肥えてきます。だから有名なスペイン人の踊り手、と言われても、その時の踊りが本当に素晴らしいというか、というとそうでもない時もあるし、決して有名でない人でも素晴らしい時だってある。でもそれは実際に自分で観なくてはならないのです。YouTubeで観た、と言う人もいますが、あれはただの情報。それだけでその人を判断するのは僭越。もう亡くなってしまった人はYouTubeでしか観られないから、できるだけ観た方がいい。でも生きている人ならば、できるだけ生で観る機会を作ること。非常に非常に重要なことです。お金がなければ、貯めてでも機会を作るのです。そうやって生の体験を自分の身体や心に刻み付けて行くのです。フラメンコは感じるものだから。

ソラジャのクラス。日本人のお友達からは「ソラジャ恐くないの?」とよく聞かれます。私は全然恐くないです。なぜみんなが恐がるのかは理解できます。でも恐くない。ソラジャはおべっかを使わない人ですからね。自分のクラスに来てもらうために、生徒をちやほやする先生っていますね。そうすれば生徒は気分がよくなって、次の月もクラスに通う。先生の収入は安定。そういう図式です。でもその生徒は本当にフラメンコを学べているのか???大いなる疑問です。

昔、ソラジャに習っていた時に日本人の何人かの生徒達にソラジャが怒鳴りました。「あんた達はホビーでフラメンコならってんのかー。みんな一生懸命お金貯めてスペインに来て学んでんだよ!!!私だって一生懸命教えてんだよ!!!」あの形相で、道路にまで響きそうな声で怒鳴って、そんなソラジャを「恐い」という人もいるのかもしれません。でも私は覚えている。その日本人達は、クラスで習った振付を全然覚えていない人達だった。できないのではない、覚えてこない。現にいつも更衣室でこんな会話をしていた。「えーーー振付全然覚えられないーーー」「ま、いいよねーーー」そして、怒鳴られたその日はこんなことを言っていた。「今日ソラジャ、なんで怒ってたのーーーー???」「わかんなーい」「ソラジャこわーーーーい。」

先週のクラスでもこんなことがありました。ブレリアのクラスです。

「あんた達、“パソ”(足の動き。靴を使った足の音、リズム)だけは真剣にとってるけど、“マルカへ”(フラメンコのリズムを身体で刻むこと。“マルカール”という人もいる)を手抜いてるでしょ。そうし続けてみな。そのマルカへがそのままあんた達に残るから。」

クラス中しーん。

「パソなんてのは、若い世代がどんどん発明して時代と共にどんどん変わっていく。でもマルカへは絶対に変わらない。昔も今も未来も。それがフラメンコなんだよ。」

こういう事を言う先生は恐いのだろうか?本当のことを、正しいことをズバリという先生が?

こんなこともありました。中上級クラスに初心者と思われる人が参加しました。クラスが始まって、その人は全然クラスについて来れない。ついて来れないだけではなく、完全にふてくされて後ろの壁のよりかかり、斜に構えて見ている。スタジオのど真ん中、ソラジャの目の前である。ソラジャはその人に聞く。「あんたのレベルは?」その人は言う。「中級くらいだと思います。でももう少し下かな。今私はセビージャで語学を勉強していて、せっかくだからフラメンコも学ぼうと思って、私の国では私は中級クラスにいるんだけど、靴を買ったばかりで新しいので足があまり動かないし・・・・・etcetcetc」延々とその人の身の上話が続く。完全にクラスの時間を中断している。ソラジャがそれを遮って言う。「つまりあんたのレベルは初級ってことね。このクラスは中上級クラスだから、初級ならあっちのクラスに入りなさい。」

私はole! と思ったけど。こういう先生は恐い先生になってしまうのか?

そして昨日はソラジャ大興奮で、怒鳴りっぱなし。怒っているのではなく、とにかくなんでも大声で叫ぶ。「パソをとれーーーーー!!!」「バモーーーー!!!!」「▲○*+>?■ーーーーー!!!!」(意味不明の雄叫び)あんまりにもうるさいので、なんでそんなに怒鳴るの?と笑って聞いたら

「明日は給料日なんだよーーーーーーー!!!!」

と大声で叫ばれた。

ソラジャ、おもしろすぎる。

2013年5月29日 セビージャにて。 (写真:アントニオ・ペレス)

May 26

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

セビージャに戻って2週間、相変わらず忙しい日々ですが私は元気です!

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  • 「第1回アントニオ・ペレス来日写真展」、「写真展開催記念フラメンコライブ」のフライヤーができました!現在日本とセビージャの印刷屋さんで印刷中です。6月以降に都内のフラメンコ関係施設に置きチラシして頂くことになっています。ご覧になりましたら是非お持ち下さいね。ちなみに

※本写真展とフラメンコライブは「日本スペイン交流400周年記念」事業としてスペイン大使館から認定されました!

※入場料:一般4500円/高校・大学生3500円(要学生証提示)/小中学生1500円(1ドリンク付・整理番号順自由席)となりました!

詳細はこちら。フラメンコライブチケットお申し込みは ticket.layunko@gmail.com まで。同会場同時開催の写真展は入場無料です!

  • 「第3回大阪クルシージョ」(2013年8/3・4)お申し込み開始しました。第2回の受講生、お問い合わせ下さった方の先行お申し込みになりますが、新規の方でこれからお問い合わせ下さってももちろんokです。osakacursillo@gmail.com(ハギワラ)までご連絡下さい。詳細PDFファイル1点をメール送信させて頂きます。第2回の受講生、島根や岡山など遠方からのお申し込みも頂いています。みなさん意欲満々です!

※東京(6/28〜8/18)、福岡(7/27・28)クルシージョ詳細はこちらにアップしています。

  • 4月6日(土)萩原淳子在西10年記念公演「ハモンは皿にのせるだけでよい」の踊りが評価され、「The Dance Times」ダンサー月間ベストテン(2013年4月)に選出されました!

 「The Dance Times」月間ダンサーベストテン(2013年4月)記事はこちら

数あまたある舞踊公演の中で、クラシックバレエ、日本舞踊、コンテンポラリーなど様々な舞踊界の素晴らしい踊り手さん達の中に入れて頂き、大変光栄   に思うと同時に身の引き締まる思いもします。これからも精進しますのでどうぞ宜しくお願い致します!

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実はやっと昨晩、「ハモンは皿にのせるだけでよい」公演の録画DVDを観たのです。DVD完成前に録画会社から映像が送られきて、それは一応チェックはしていたのですが、なんせセビージャに戻る数日前、それどころではない状況で送られてきたので、ちゃんとは観られませんでした。セビージャでミゲルとモイにDVDを渡したところ、その晩夜中2時頃にモイからの携帯メッセージが。

「ジュンコ!なんて素晴らしい公演なんだ!構成は最高、音響もとてもいい。オレは大満足。」

信じられない〜。このメッセージの内容よりもまず、モイからメッセージが届いたことが!!!!!人からの電話もとらないモイが。仕事の話も支払いの話をしても電話もメッセージも送ってこないモイが。そのモイからメッセージが届いた〜!!!

時間がなかったのもそう、でも、本当のところは自分の公演のDVDを自分で観るのは勇気がいりました。なんとなくそれに直面するのを避けていたようにも思えます。でもモイからのメッセージをもらって、ちょっと背中を押してもらえました。そして昨晩、公演を観ていない夫から「いつ公演のDVD観せてくれるの?」と言われ、えええええええい、観てしまえ!!!と決意したのでした。

・・・・・・・・自分の踊りは技術的にはいろいろ問題はある。自分の目と耳からすると。照明も自分が構想した通りには、100%は照明の人には伝わらなかった。私の伝え方が不十分だったのかもしれない。それは次回の課題。でも、この公演、いいのではないか。これ、フラメンコの公演だよね。フラメンコの公演、といいつつフラメンコか?それは?と首をかしげざるを得ない公演が多い昨今、これはフラメンコの公演だ。あのモイがなんでわざわざ夜中の2時にメッセージを送ってきたのか分かるような気がしました。

スペインで踊る私をいつも観ている夫は言いました。「この照明の人はフラメンコの舞台を経験したことがないね。日本で公演しているというのがはっきり分かる。観客の反応がスペインと全然違うから。日本の観客は感じていることがそのまま外に出ないんだよね。それから、たった3人で舞台を創って本当に勇敢だったね。君のことを誇りに思う。」

なるほど。照明の方はフラメンコの舞台を経験されていたはず。だけれども、やはりフラメンコの文化のある土地で、その文化を持った人が、フラメンコを知って照明を担当するのと、そうでないのでは全然違う。それは日本でフラメンコ公演をするにあたって大きなネックになる。お客様の大半は、踊りそのものをご覧になるけれど、実は照明というのは舞台構成において本当に本当に重要なのだ。その照明がちょっと違うだけで、色なりタイミングなり、場所なり・・・etcまるで印象が変わってしまう。極端な話、照明一つで生かしも殺しもする・・・と言っても過言ではない。特にフラメンコの本場、アンダルシアでフラメンコ舞台公演を見慣れている夫からすれば、その差は明らかなのだろう。写真家としてジャンルは違うといえども、芸術的な感性はずば抜けているしね。

そして観客の反応。決して反応しない訳ではない。でもこれも感情がそのまま素通りして表に出てしまう(出すのではなく、出てしまう)アンダルシア人と、感情を隠すことが美徳とされ、ワンクッション置いてから表に出す日本人とでは、根本的に文化的に大きく異なる。正反対といってもいいくらい。拍手しようと思って手をたたこうと思ったら周りがたたいていないから途中でやめてしまう。ここでハレオ(かけ声)をかけたら目立ってしまうかな、とか間違っているかな、とか躊躇してしまう。そんな経験が日本人なら誰でもあるのでは?でもだからといって、アンダルシア人より感動していない訳ではないのだ。むしろ感動しているかもしれない。日本人の方が感受性が豊かかもしれない。現に、何十人というお客様が公演後、たくさんの感動のメールやお手紙を下さった。どちらがいい悪いという問題ではない。私は日本人でセビージャに住んでいるから、どちらも理解できる。よく分かる。でも舞台の上に立つ人間として、どちらが踊りやすいかといえば、観客の反応がその瞬間その瞬間、その場その場で返ってくる方だ。フラメンコは循環するもの。ただ舞台の上の人間が踊って、弾いて、歌って、それを客席の人間が受動的にもらうものではない。なぜならフラメンコとはそういう文化だから。人と人とが共有し合って育ってきたもの。代々受け継がれてきたもの。そして海を超えて大陸を超えて別の国にも伝わってきたもの。

DVDを観ていたら、赤ちゃんの「アーアー」とか「ウーウー」とかいう声が入っていた。当日、お子様抱っこ席に親御さんの膝に座っていた赤ちゃんだろう。私はとっても嬉しかった。DVDを観ながら、夫と目を合わせて微笑んだ。赤ちゃんは何も分からないかもしれない。でも何かに反応しているのだ。もしかすると私達よりも分かっているのかもしれない。その赤ちゃんとは別に私の姪っ子(9ヶ月)も妹に抱っこされて客席にいた。舞台が始まり、ミゲルのギターの時は静かだったらしいが、モイが歌い始めたら「ウギャー」と泣き出しそうになったので、妹は慌ててガラス張りの防音室に駆け込んだそうだ。公演中はずっと防音室の中から舞台を観ていたらしい。(舞台上の音は聞こえる画期的な防音室!)公演最後フィン・デ・フィエスタのタンゴになってやっとノリノリになったそうである。私が妹に「ごめんね」と言うと、妹は言った。「赤ちゃんは泣く事で感動を表現するんだよ。」

少しずつ、フラメンコの文化が日本に伝わるといい。本物のフラメンコが。フラメンコでなくてもいい。芸術に触れることがもっと身近に、当たり前になって、感性の豊かな子供がたくさん増えて、そういう社会になっていってほしい。

ベストダンサーテンに選んで頂いたのは嬉しいけれど、それと同時に私は自分の使命のようなものも感じる。本物のフラメンコを伝えること。心に伝わるものを伝えること。それはスペインでも日本でも一緒。舞台が大きくても小さくても一緒。別に誰から頼まれたわけではないし、逆に「誰もあなたに頼んでいませんよ」と言われるのかもしれないけど、いいのだ。私は私のやり方で踊り、誰かの役に立てればいいのだ。それが今まで私がフラメンコという偉大な芸術からたくさんのものをプレゼントされてきた恩返し。セビージャに住んで10年たって、やっと自分にその土台ができたのだと思う。

これから年をとって、いろいろな状況も変わって、今のようには踊れなくなるかもしれない。でも踊り続けようと思う。

2013年5月26日  セビージャにて。

May 12

_DSC5779-1みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

セビージャに着きました。いや〜疲れました。日本で猛烈に踊って、教えて、移動して、考えてみたら超過密スケジュール、よくぞこなした、萩原淳子。自分で自分を褒めてしまいたい。飛行機の中でぐーぐー寝るはずが、後ろの席の男性が私の座席をしょっちゅう蹴っ飛ばし、萩原眠れず。なんでこんな人が世の中にいるんでしょうね。そんなわけで羽田ーロンドン間はほとんど眠れず、ロンドンーマドリッド間、マドリッドーセビージャ間で細切れに眠りました。もういやんなっちゃうよー。

セビージャ空港に迎えに来てくれた夫(カメラマン)がそんな疲れ果てた私を勝手に撮影していました。(写真:アントニオ・ペレス。あまりの疲れと荷物の重さに顔が硬直している萩原淳子。奥。)なんなんだよーもうー。でもまあいいや。久しぶりに(2ヶ月ぶり)に夫に会えて嬉しかったです。

それにしてもセビージャはあつい。すでに気温30度以上になっています。久しぶりに会う近所の人やお友達もみんな日に焼けているよ。やっぱりこの太陽。これがなくてはセビージャではないね。光と影のものすごいコントラスト。ちょっと歩くとすぐに知り合いに出会い、おしゃべりが始まる。知らない人同士でもぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ。あー懐かしいなと思ってしまいました。たった2ヶ月離れていただけなのにね。

そして恐ろしいことにたった2ヶ月でも私のスペイン語力は退化している!いつもだったらありえない動詞の活用を間違えたり、仮定法がすっと出てこなかったり。この現実には毎回ショックです。やっぱり私はスペイン語を母国語としない外国人なんだなーと。他人には分からないのだろうけど、自分では分かる。だからショック。もちろんそれは数日で元に戻るのだけど。

でもこれって、フラメンコも同じなのかな。フラメンコも言語も文化ですからね。

難しいところです。フラメンコは文化であると同時に芸術であり、その人自身の人生でもあるから。だから文化的な部分ではやはりその土地で生きていないと学べない部分が確実にあるし、それがなければフラメンコの重要要素の一つが欠けている。でもじゃあ、アンダルシアに住んでいるからフラメンコになるのか、というとそうとも限らない。その人がどれだけ芸術性を持っているか、掘り下げているか、その人の感性がどれだけフラメンコか、そしてその人がその人なりの人生をどう生きているか、それも大切。そしてフラメンコを踊ろうと思ったら、技術的な練習だって必要。

だから学ぶことと生きることを怠ったら、それはそのまま踊りに出ると私は思う。それはスペインでも日本でも一緒だと思うのです。

さて、セビージャに着いたばかりですが、次回の日本でのクルシージョ詳細が決まりました。

東京クルシージョ先行お申し込み開始日時:5月18日(土)13:00 

お問い合わせ・お申し込み layunko@gmail.com(ハギワラ)まで。

 福岡クルシージョ一斉お申し込み開始日時:5月28日(火)20:00

お問い合わせ・お申し込み fukuokacursillo@gmail.com(ウラベ)まで。

  • 第3回大阪クルシージョ」(8/3・4)

お問い合わせ osakacursillo@gmail.com(ハギワラ)までご連絡下さい。

※今回の大阪クルシージョはいつも主催して下さったカバジートスフラメンコさんではありません。

ご注意下さいね。

ご不明な点等ございましたら、各クルシージョ毎の連絡先までお問い合わせ下さい。

これから、次回一時期国までの約1ヶ月半、セビージャでもまた猛烈な日々が続きそうです。上記クルシージョの準備を始め、7/12(金)〜15(月祝)マルワ財団2階サロン(東京/赤羽橋)で開催されるスペシャル・フラメンコライブ の準備も、そして6/8、14、22にスペインであるフラメンコ公演やフェスティバルの出演。本当にこんな過密スケジュールで私は大丈夫なんだろうか。特に6月14日に出演するフェスティバルには、なんとあのアルカンヘルも出演!いや、表現が逆でした。アルカンヘルの出演するフェスティバルに私がバイレソロ出演だ!!!!これは生半可なことではありません。ひょえー。アルカンヘルと言えば、現代フラメンコ歌手の第一人者と言っても過言ではありません。東のミゲル・ポベダに西のアルカンヘル、といったところか。そのアルカンヘルが出演のフェスティバルに私がバイレソロ出演。これがどんなに恐ろしいことか、後日またブログにします。。。。

2013.6.22(土))// 萩原淳子ペーニャソロ公演

  • 22:00
  • ペーニャ・サン・ペドロ(サン・ペドロ・デ・アルカンタラ、マラガ)
  • 入場無料
Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  • モイ・デ・モロン 
  • ミゲル・ペレス 

2013.6.14(金))// フェスティバル・フアン・タレガ(ドス・エルマーナス、セビージャ)

  • ドスエルマーナス オーディトリアム
  • 22:30開演
  • 要招待券
  • カンテソロ出演:アルカンヘル、カブレーロ、ヘスス・メンデス他
  • バイレソロ出演:萩原淳子
Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子(バイレソロ)
  • モイ・デ・モロン 
  • ミゲル・ペレス 

2013.6.8(土))// 萩原淳子ペーニャソロ公演

  • 22:00
  • ペーニャ・ニーニョ・デ・ラ・アルファルファ(セビージャ)
  • 5ユーロ
Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  •  
  • ミゲル・ペレス 

これはもうやるしかありません。今までもやってきたから、今回も乗り越えます。

2013年5月12日 萩原が決意にメラメラ燃える横で、夫はぐーすかシエスタ。あついからね、セビージャは。

May 8

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

ご報告が遅くなりましたが、先日開講された「カバジートスフラメンコさん主催 第2回萩原淳子大阪クルシージョ」はお陰様で無事終了しました。主催のカバジートスさん、会場でお借りしたスタジオ・ラ・クーナの井上みつまささん、受講生の皆様、誠にありがとうございました!

大阪近郊の方々を始め、岡山や島根など遠方からもたくさんの受講生にご参加頂き、「受講してよかった!」「また大阪に来て下さい!」とお喜びの声も多数頂きました。開講できてよかった、とほっとすると同時に大変嬉しく感謝しております。皆様どうもありがとうございました!!!

今回特に反響の大きかったクラスは、大阪では初開講となった「アレグリアス研究カンテ編(講義)」「アレグリアス研究バイレ編(講義)」クラスでした。カンテ編ではカディスの歌い手のCDを聴く事で、バイレ編ではアレグリアスの踊りのDVDを観ることで、歌とギターを聴くということはどういうことなのか、というのを講義形式でご説明するクラス。カンテ編は定員がありませんでしたが、バイレ編はお申し込み開始早々の満席となり、当初より皆様のご関心の高さが伺えました。ただ習った振付をなぞるのではなく、カンテとギターを感じて踊りたい!“フラメンコ体操”ではなく、“フラメンコ”を踊りたい!受講生のその熱心な姿勢がクラス内外でもたくさんの質問につながり、とても充実したクラスとなりました。

元々このクラス、私自身が日本で習いたいと考えていたクラスでした。でも習えなかったクラスでした・・・。そしてそれはスペインでも習えませんでした・・・。

日本でもセビージャでも「カンテを聴きなさい、ギターを聴きなさい」とずっと言われ続けていて、聴いていたけれど、でも、「あ、私、今まで聴いていたようで実は聴けていなかったんだ」と気づかされたきっかけがありました。それはセビージャのとある場所で毎週開催されていた即興プライベートフィエスタでの仕事。会場に着くまで何を踊るか分からない。とりあえず明るい曲と暗い曲用の衣装を1着ずつ持って行く。その場で踊る曲が決まる。事前の打ち合わせが全くなしの完全即興。アントニオ・モジャ、マヌエル・タニェ、ルビオ・デ・プルーナなどの素晴らしいアーティスト達に囲まれた信じられないような仕事でしたが、何が起こるかまったく分からない状態で毎回踊っていました。だって、私が踊る直前の会話はいつもこんなでした。

「ジュンコ、今日は何踊るんだ?」

「ソレア。」

それでおしまい。歌振りがいくつとか、ファルセータがどうのこうの、なんて構成すら説明する余地なし。なぜなら、これから何が起きるか誰も分からないので先に説明しても意味がないから。とにかくやってみるのみ。ギターはソレアを弾き、カンテはソレアを歌い、踊りはソレアを踊る。その即興が素晴らしい瞬間を生んだ時もあれば撃沈した時もありました。契約なんてなかったから、撃沈した時は、本当に落ち込みました。もうこの仕事に呼ばれないんじゃないかって・・・。

でも落ち込んでいる暇はありませんでした。次の仕事まで(もし呼ばれるとしたら)1週間しかない。次の週まで、なぜその即興がうまくいかなかったのか、今度そうならないためにはどうするかを徹底的に研究したのです。CDを聴きまくり、ビデオも観まくり、踊りの先生やギタリストや歌い手にもたくさん質問し、一緒に共演をしていたスペイン人の踊り手からもたくさん学びました。どうやって歌とギターをまとめているのか、乗せているのか、また逆に歌をギターが冷めてしまうのはなぜなのか。それでも毎回“事件”は起きました。その事件を少しずつクリアし、また撃沈し、そうこうしているうちに気づいたら1年半のレギュラー出演になっていました。

そう、私は習ったのではない。自分で学びとったのでした。

自分が学んだ経験を伝えたい、そう思ってそれを講義という形でクラスにしたのが「アレグリアス研究カンテ編/バイレ編」でした。他人の受け売りではなく、私自身の試行錯誤の結果から自分で見つけた真実、それがクラスの内容になっています。だから生徒の皆さんには、たくさんある学び方、アプローチの仕方のうちの1つだとお考え頂ければ幸いです。

クラス後、たくさんの生徒さんから「自分がまさに知りたいことだらけだった」「もっと早く教えてほしかった」「次回も必ず開講して下さい」などなどお声を頂きました。本当に嬉しく思います。ありがとうございます。大切なことはクラス受講後、みなさんがみなさんなりの身体や心を通して、みなさんなりの真実を見つけてゆくことだと思います。そのきっかけがこのクラスであれば、教える冥利に尽きるというものです。

フラメンコって大変。学べば学ぶほど、学ばなくてはいけないことが増えてゆき。好きになれば好きになるほど遠のいて行く。無理なんじゃないかなって思う時もあるかもしれません。でもそれ以上にフラメンコって素晴らしい。こんな素晴らしいものに人生の中で出会えたことも素晴らしい。それを温めていることも素晴らしい。だから頑張っている生徒さんは応援したい。私と一緒だから。

私の知っていることはフラメンコからしたらほんのコショウ粒にしかすぎないと思うけれど、それでも誰かのお役に立てるのならそのコショウをじゃんじゃん使って頂きたいと思います。

次回「第3回大阪クルシージョ」は8月3日(土)・4日(日)開講です。詳細はこのHP「クルシージョ」にてご確認下さい。

2013年5月8日(水) 明日セビージャへ発ちます。またお会いできる日まで!

May 3

みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

お陰様で本日、「第11回少人数制クルシージョ」(東京)を無事終了することができました。いつも素晴らしい生徒さん達に囲まれて本当に感謝です!受講して頂き誠にありがとうございました。

初めての開講の時は「私に習いたい人なんているのかな・・・」と心配だったけれど、お陰様でいつも本当に生徒さんに恵まれています。みなさん真面目で明るく熱心。そして個性的なんだな〜。クラスが本当に楽しい。「ああ、ああいう風に説明すればよかったな」とかクラスの後、後悔してしまうこともあるけれど。でも毎回毎回新鮮な発見があります。私も勉強させて頂いています。

やっぱり学ばなくなってしまったらダメだと思うのです。いや、もう学ばなくていいやと思ってしまうその考え方がダメだと思うのです。いや、ちょと待て、違う。学ばなくていいや、と思って辞めるのもそれまたその人の選択肢。だからダメではないか。間違いでもない。

日本ではなかな時間がとれないけれど、セビージャでは私はあちらの先生によく習います。初中級の生徒が多いクラスに入ることもしょっちゅう。すると多くの人が「なんで淳子さんこのクラスにいるんですかっっっ!!!」とか「まだ学ぶことあるんですか???」とか、大真面目に質問されます。当たり前でしょ〜。フラメンコは一生学んでも学び足りないものです。学べば学ぶ程、学びたいことや学ばなくてはならないことが増えてきます。それが苦しくてフラメンコから離れてしまう人もいらっしゃるのかな。うん、それもその人の選択肢。間違いではありません。

でもフラメンコってこんなに素晴らしいものなんだよ、ということを私は一人でも多くの人にお伝えしたい。そのために生きて、踊って、教えています。その積み重ねが少しずつ少しずつ、ぼわんぼわんと、少なくとも私の周りには増えてきているのかな。そんな実感があります。生徒さんを見ていると。

明日は大阪へ。5月5日・6日「第2回大阪クルシージョ」の開講です。今回も主催のカバジートスフラメンコさんにお世話になります!そしてクルシージョ会場となるスタジオ・ラ・クーナさんもどうぞ宜しくお願い致します!前回からの受講生、今回初めての受講生の皆さんともお会いできることを楽しみにしています!

「第2回大阪クルシージョ」詳細はカバジートスフラメンコさんHPにてご確認下さい。まだ空きのあるクラスもちらほらあるようです。

カバジートスフラメンコさんHPより。「第2回 萩原淳子大阪クルシージョ」

では、お会いできることを楽しみにしています!

2013年5月3日  こたつに入り肉まんを食べる。5月だというのに。